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バーコードが使えない在庫の棚卸|貼らずに進める方法と判断基準

#棚卸#バーコード

棚卸の効率化を調べると、多くの記事が「バーコードを貼ってハンディターミナルで読み取る」という答えにたどり着きます。これは在庫にバーコードを貼れる業種では有効な方法です。

一方で、そもそもバーコードを貼れない在庫を抱えている現場では、この前提が最初から成り立ちません。ラベルを貼る作業が毎回の負担になり、貼り切れなかった商品は結局手書きで処理することになります。

この記事では、バーコードが使えない在庫にどんなものがあるのかを整理したうえで、バーコードに頼らずに棚卸を回す進め方をご紹介します。

この記事でわかること

  • バーコードを貼れない在庫の具体例
  • バーコード前提の棚卸が合わない3つの理由
  • バーコードに頼らずに商品を特定する運用の作り方
  • 自社にバーコード運用が向いているかの判断基準

バーコードを貼れない在庫とは

次のような在庫は、バーコード運用と相性がよくありません。

在庫の種類バーコードを貼れない理由
生鮮品仕入れるたびに産地・規格・入数が変わり、同じ商品として扱えない
加工後の中間財社内で加工した時点で、仕入時のバーコードとは別物になる
小分け・再包装したもの元のパッケージのバーコードが残らない
回転が速い在庫ラベルを貼り切る前に、次の品目が入ってくる
不定貫の商品1つずつ重量が違い、バーコードだけでは数量が確定しない

食品卸や食品製造の現場では、在庫の多くがこのどれかに当てはまります。水産・青果・精肉のように、仕入れるたびにサイズや入数が変わる商品はとくに顕著です。

バーコード前提の棚卸が合わない3つの理由

理由1:ラベルを貼る作業そのものが増える

バーコードがない商品にバーコードをつけるには、ラベルを発行して貼る作業が必要です。これは棚卸の前準備として毎回発生します。

棚卸を短くするために、棚卸の前の作業を増やすことになりかねません。準備に半日かかるようになれば、現場の作業が速くなった分は相殺されてしまいます。

理由2:貼り切れなかったものが例外になる

現実には全部には貼れません。入荷直後のもの、加工中のもの、返品されたもの。貼れなかった商品は手書きや別リストで処理することになり、結局2つの運用が並走します。

棚卸で時間を食うのは、標準的な作業ではなく例外の処理です。例外が残る限り、全体の時間は縮みません。

理由3:導入費用が在庫規模に見合わない

ハンディターミナルは、機器とシステムを合わせると一式で数百万円規模になることがあります(弊社の見立て)。拠点ごとに台数が必要になるため、拠点が増えるほど費用も増えます。

1拠点あたりの在庫点数がそれほど多くない場合、削減できる人件費に見合わないという判断になりがちです。

バーコードに頼らずに棚卸を回す進め方

バーコードが使えないなら、商品を特定する仕事を現場から外すのが出発点になります。

手順1:現場は「あるものを記録して、数える」だけにする

現場に求めるのは2つだけです。

  1. 棚にあるものを、あとから判別できる形で記録する
  2. その数を数える

商品名が分からなくても、棚卸すべき商品かどうかの判断がつかなくても、現場では手が止まりません。判断は記録を見ながらあとで行えます。

これまでは、棚卸リスト(紙)に載っていない商品を数え漏れてしまう問題がありました。『玉ねぎ(原体)』はリストにあるので数えますが、隣の『玉ねぎ(加工)』はリストに無いので数えられず報告が上がってくることがありました。あるものはとにかく撮って数えてくれと指示したところ、棚卸の精度がめちゃくちゃ上がりました。 — タカラ食品工業株式会社 様

リストに縛られている限り、リストに無いものは数え漏れます。あるものは全部記録する運用に変えると、この漏れがなくなります。

手順2:判別できる材料を残す

「あとから判別できる形」で現実的なのは、現物の写真です。商品名を書き取るのと違って、書いた人のくせに左右されません。ラベルが読める角度で1枚撮っておけば、事務所側で十分に特定できます。

写真が残っていれば、棚卸が終わったあとに「あのとき何個あったか」を確認したくなったときにも見返せます。数え直しに行く必要がなくなります。

手順3:特定と集計は、あとでまとめて行う

記録に判別できる材料が残っていれば、商品の特定は事務所側でまとめて処理できます。ここを分離すると、次のことが同時に起こります。

  • 現場作業から「探す」「調べる」「確認する」が消える
  • 商品名を把握している人が現場にいなくてもよくなる
  • 2人1組でなくても進められるようになる
  • 特定作業を複数人で分担できる

数えるのは、これからも人の仕事

誤解されやすいところなので先に書いておくと、数える作業そのものは自動化できません。現物を数えるのは人の仕事のままです。

短くできるのは、数える前の準備と、数えたあとの特定・集計・転記です。ここが全体の半分以上を占めているので、そこを外すだけで棚卸は大きく変わります。棚卸の時間配分については棚卸に時間がかかる原因で詳しく整理しています。

自社にバーコード運用が向いているかの判断

どちらのやり方が向いているかは、在庫の性質で決まります。

項目バーコード運用が向くバーコードに頼らない運用が向く
在庫の状態仕入れたままのパッケージが中心加工・小分け・再包装が多い
商品の入れ替わり緩やか速い(ラベルが追いつかない)
規格固定(入数・重量が一定)変動する(不定貫・産地違い)
拠点数と費用台数を揃えても採算が合う1拠点あたりの点数が少なく見合わない

次のどれかに当てはまるなら、バーコード以外のやり方を検討する価値があります。

  • 在庫の半分以上にバーコードを貼れない
  • ラベルを貼り切る前に、次の品目が入ってくる
  • ハンディの見積もりが、棚卸で削減できる人件費を上回っている
  • リストに載っていない商品が、毎回の棚卸で出てくる

逆に、在庫のほとんどが仕入れたままのパッケージで、バーコードが安定して使えるなら、そちらのほうが早いです。自社の在庫がどちらなのかを先に確かめてください。

写真とAIで、バーコードなしの棚卸を成立させる

弊社が提供しているラクだなは、バーコードを使わない棚卸のために作った棚卸アプリです。

倉庫で手袋をしたままスマホで商品を撮影している様子

現場はスマホで現物を撮って数を入れるだけ。事務所はその写真を見て、AIが確からしい順に並べた候補から商品を選ぶだけです。候補に出てこないときは品目名や仕入先名で検索でき、マスタに無い商品はその場で登録できます。

ラクだなの商品割当画面。撮影した写真にAIが商品候補を並べる

  • バーコード・QRコードの発行や貼り付けは不要
  • 棚卸の前に、今月入った商品をマスタへ登録しておく作業も不要
  • 冷凍庫や倉庫の奥など、電波が届かない場所でも撮影と数量入力ができる(事前に電波の良い場所で撮影一覧画面を開いて準備しておく必要があります)
  • 棚卸表・金額・前回との差異まで自動で仕上がり、CSVでも出せる

食品卸の株式会社 豊洲漁商産直市場様では、導入後に棚卸時間が3分の2に短縮しています。機能の詳細はラクだなの機能、実際の画面は使い方でご覧いただけます。

まとめ

バーコードが使えない在庫の棚卸についてまとめます。

  • 生鮮・加工後の中間財・小分け品・回転の速い在庫は、バーコードを貼りにくい
  • ラベルを貼る作業が増え、貼り切れなかった分が例外として残る
  • バーコードが使えないなら、商品を特定する仕事を現場から外す
  • 現場は記録して数えるだけ、特定と集計は事務所でまとめて行う
  • 判別できる材料として現実的なのは、現物の写真

バーコードを前提にした効率化が自社に合わないと感じている方は、まず在庫のうちどれくらいにバーコードを貼れるのかを数えてみてください。半分を切るようであれば、別のやり方を探したほうが早く進みます。

棚卸のやり方を具体的に知りたい方には、圧倒的にラクにする棚卸の方法を無料でご用意しています。

※本記事の内容は2026年9月時点のものです。

よくある質問

Q. バーコードがない商品はどうやって棚卸すればいいですか?
A. 商品を特定する作業を現場から外すのが基本です。現場は現物をあとから判別できる形(写真など)で記録して数を数えるだけにし、商品の特定と集計は事務所側でまとめて行います。
Q. 自社でバーコードラベルを発行して貼るのは有効ですか?
A. 在庫のほとんどが仕入れたままのパッケージで、入れ替わりが緩やかなら有効です。一方で、加工や小分けで中身が変わる在庫や、ラベルを貼り切る前に次が入ってくる回転の速い在庫では、貼る作業が毎回の負担になり例外も残ります。
Q. ハンディターミナルの導入費用はどのくらいですか?
A. 機器とシステムを合わせると一式で数百万円規模になることがあります(弊社の見立て)。1拠点あたりの在庫点数がそれほど多くない場合、削減できる人件費に見合わないことがあります。
Q. バーコードを使わない棚卸で、精度は落ちませんか?
A. 落ちるとは限りません。紙のリスト運用では、リストに載っていない商品が数え漏れる問題が起きがちです。あるものを全部記録する運用に変えると、むしろ漏れが減ったという声をいただいています。
棚卸アプリ「ラクだな」を現場のスマホとパソコンで使っている様子

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