kintone IT企業ポータル活用|案件の立ち上げと終了で入れ替えるタブ構成
kintone IT企業ポータル活用|案件の立ち上げと終了で入れ替えるタブ構成
「新しい案件が決まるたびにアプリが増えて、ポータルがどんどん縦に伸びていく」「納品が終わったはずの案件のアプリが、いつまでもポータルに残っている」——IT・システム受託開発やWeb制作会社でkintoneを担当していて、こんな状況に心当たりはありませんか?
受託開発やWeb制作の現場は、案件(プロジェクト)単位で動くのが特徴です。案件が決まれば案件管理・工数管理・課題管理といったアプリが増え、エンジニアやデザイナーは複数の案件を同時に掛け持ちします。さらに協力会社やフリーランスに一部の工程を委託する場面も多く、社内外の関わり方も整理しておく必要があります。
この記事では、案件を軸にしたkintoneポータルのタブ構成例と、案件の立ち上げ・終了でタブを入れ替える運用、協力会社やフリーランスとの関わり方を紹介します。
この記事でわかること
- IT・システム受託開発業のkintoneポータルが使いにくくなる3つの理由
- 案件(プロジェクト)を軸にしたタブ構成の具体例
- 案件の立ち上げと終了でタブを入れ替える運用、協力会社・フリーランスとの関わり方
IT・システム受託開発業のkintoneでポータルが使いにくくなる3つの理由
この記事では、複数の案件を並行して抱える受託開発会社・Web制作会社を想定しています。案件の数だけアプリが増え、担当メンバーも案件ごとに入れ替わるため、ポータルが煩雑になりやすい業種です。
理由①:案件(プロジェクト)ごとにアプリが増え続ける
サイボウズが公開している情報通信業向けのサンプルアプリでも、案件・プロジェクトに関わるアプリが複数用意されています(kintone 情報通信業向けサンプルアプリ、2026年9月時点)。
| サンプルアプリ | 対象 | 管理する内容 |
|---|---|---|
| ソフトウェア開発管理 | 開発部門 | 開発体制、要件定義からリリースまでのスケジュール、フェーズごとの費用 |
| SE工数管理日報 | 開発部門 | プロジェクトごとの工数配分、進捗のリアルタイム確認、給与システムへの連携用データ |
| 派遣エンジニア提案管理 | 営業・管理部門 | 客先常駐案件の提案履歴、案件状況、営業・エンジニアごとの受注件数 |
これに加えて、案件ごとに要件定義・仕様書リンク・課題管理・納品物リンクなど独自のアプリを作ることも多く、案件の数だけポータルに並ぶアプリが増えていきます。
理由②:一人が複数の案件を掛け持ちする
受託開発やWeb制作の現場では、エンジニアやデザイナーが同時に複数のプロジェクトを掛け持ちすることが珍しくありません。案件ごとにアプリを作ると、掛け持ちするメンバーほど「自分が関わる案件だけ」を素早く開きたいのに、無関係な案件のアプリまでポータルに並んでしまいます。
理由③:終了した案件のアプリ・スペースが残り続ける
案件ごとにkintoneのスペース(関係者だけで情報を共有する場所)を作る運用も一般的ですが、納品が終わってもスペースやアプリをそのまま残すケースは多く、気づけば進行中の案件と完了した案件が同じポータルに並んでいる、という状態になりがちです。
標準機能で整理する方法と、その限界
kintone標準の機能でも、ある程度の整理はできます。
- スペースを案件ごとに作る:参加メンバーだけに公開する設定にすれば、関係者以外には表示されません
- アプリのアクセス権を設定する:閲覧できない人にはアプリが一覧に出なくなります
- お気に入りに登録してもらう:各自がよく使うアプリをすぐ開けるようになります
一方で、kintone標準のポータルは、2025年7月のアップデートで2枚目以降を作れるようになり、組織ごとに最初に表示するポータルも指定できます(ライトコースは対象外)。ただし、ポータル自体に閲覧できる人を絞る設定はなく、全員がすべてのポータルを切り替えて見られます。また、2枚目以降のポータルはPC版でのみ表示されます(ポータルの見かた|kintone ヘルプ、2026年9月時点)。「案件Aのメンバーには案件Aのアプリだけ、案件Bのメンバーには案件Bのアプリだけ」というように案件ごとに見せる範囲を分けることはできず、複数案件を掛け持ちするメンバーが増えるほど、ポータルには無関係な案件のアプリが並びます。お気に入りは個人の操作に頼るため、案件が入れ替わるたびに全員に登録し直してもらうのも現実的ではありません。
部署別の表示をめぐる標準機能の限界は、kintoneポータル部署別表示の3つの限界|ノーコードで見せ分ける方法で詳しく解説しています。
IT・システム受託開発業向けタブ構成の具体例

ここでは、案件(プロジェクト)を軸にタブを分ける構成例を紹介します。タブごとに閲覧権限を設定すると、そのメンバーには自分が担当する案件のタブだけが表示されます。
| タブ | 主な利用者 | 入れるアプリの例 | 閲覧権限の例 |
|---|---|---|---|
| 案件A(進行中) | 案件Aの担当チーム | 案件管理、工数・日報、要件定義・仕様書リンク、課題管理 | 案件Aのメンバー |
| 案件B(進行中) | 案件Bの担当チーム | 同上 | 案件Bのメンバー |
| 開発共通 | 開発部門全員 | ソフトウェア開発管理、SE工数管理日報、オープンソースライセンス管理 | 開発部門 |
| 営業・提案 | 営業・PM | 引合い・案件管理、見積、派遣エンジニア提案管理 | 営業部・PM |
| 総務・経理 | 総務部・経理部 | 請求・支払、契約書管理、勤怠、経費精算 | 総務部・経理部・経営層 |
| 全社共有 | 全社員 | 社内のお知らせ、規程・マニュアル | 全社員 |
案件タブ(プロジェクト単位)
案件が決まるたびに、案件名を付けたタブを1つ作ります。案件管理・工数管理・課題管理など、その案件に関わるメンバーだけに閲覧権限を設定します。案件ごとにスペースを作っている場合は、案件タブにそのスペースへのリンク(スタンダードプランのスペースリンク機能)を並べておくと、スペース一覧を探さずに入れます。
開発共通タブ
全案件で共通して使う開発系アプリをまとめます。「ソフトウェア開発管理」「SE工数管理日報」「オープンソースライセンス管理」などは特定の案件に紐づかないため、案件タブとは別の「開発共通」タブに置くと、案件が入れ替わっても影響を受けません。
営業・提案タブ
引合いから見積・受注までのアプリと、客先常駐案件の提案履歴をまとめる「派遣エンジニア提案管理」のようなアプリを置きます。サイボウズが紹介しているシステムインテグレーターの導入事例でも、案件登録から見積作成、発注書管理、受注登録までの流れをkintoneの営業基盤にまとめています(2026年9月時点)。営業がこのタブで引合いから受注までを追いかけ、決まった案件だけを開発側の案件タブに引き継ぐ流れを作ると、営業と開発の間で情報が抜け落ちにくくなります。
総務・経理タブ
請求・支払、契約書管理、勤怠、経費精算など、内勤が使うアプリをまとめ、総務部・経理部・経営層だけに閲覧権限を付けます。
全社共有タブ
社内のお知らせ、規程・マニュアルなど、案件を問わず全員に届けたい情報を置くタブです。
掛け持ちメンバーへの閲覧権限は「ユーザー」で組み合わせる
複数の案件を掛け持ちするメンバーには、担当する案件タブの閲覧権限にユーザーを個別に追加します。組織・グループ・ユーザーの3軸を組み合わせて設定できるため、部署の組織だけでなく個人単位でも案件タブへの権限を付けられます。これにより、案件Aと案件Bを掛け持ちする担当者には両方のタブが表示され、関わっていない案件Cのタブは表示されません。
ただし、タブの閲覧権限はポータル上の表示を切り替えるもので、データそのものを守る機能ではありません。顧客ごとの契約情報やソースコードの管理場所など、見せる範囲を限りたい情報は、kintoneのアプリやレコードのアクセス権で閲覧できる人を制限してください。表示はポータル、データはkintoneのアクセス権という役割分担です。
業務の流れでタブを分ける考え方は、kintone製造業ポータル活用|業務別タブ構成の具体例を紹介でも紹介しています。自社の運用に合わせて、案件軸と業務軸を組み合わせてください。
案件を軸にタブを分けるだけなら、フリープラン(4タブまで)で試せます。まずは「開発共通」「営業・提案」「全社共有」に、進行中の案件タブを1つ加えた4タブから始めてみませんか。ソトバコポータルを無料で試す →
案件(プロジェクト)単位で運用するときの2つのポイント
タブで置き場所を整えたら、次は案件の入れ替わりと、社外メンバーとの関わり方に対応します。
ポイント①:案件の立ち上げと終了でタブを入れ替える
新しい案件が決まったら、案件用のタブをゼロから作るのではなく、あらかじめ用意しておいたテンプレート用のグループを複製して新しい案件タブに移し、案件名や閲覧権限だけを差し替えると早く準備できます(ソトバコポータルのグループ複製・タブ移動)。
案件が完了したら、そのタブの閲覧権限を外すか、タブごと削除します。案件ごとにkintoneのスペースを作っている場合は、スペース自体も棚卸しの対象です。放置されたスペースが増えると、kintoneのスペース上限(ライトコースで100個、スタンダードコースで500個)を圧迫することもあるため、案件終了時にタブとスペースをセットで整理する運用にしておくと安心です。詳しくはkintoneのスペース管理が失敗する原因|今日から実践できる5つの改善策で解説しています。
ポイント②:協力会社・フリーランスなど社外メンバーはゲストスペースで
受託開発やWeb制作会社では、要件定義や実装の一部を協力会社やフリーランスのエンジニア・デザイナーに委託する場面が珍しくありません。kintoneでは社外の担当者を「ゲストユーザー」(自社の組織に属さず、招待されたゲストスペースの中だけで情報をやり取りする利用形態)として招待する運用が一般的です。
ただし、kintone標準の2枚目以降のポータルはゲストユーザーには表示されません(ポータルの見かた|kintone ヘルプ、2026年9月時点)。社外メンバーとの案件情報の共有はゲストスペース側で完結させ、この記事で紹介するタブ構成は社内メンバー向けの整理として考えてください。

タブ構成を実現するソトバコポータルの機能
ソトバコポータルは、kintoneに接続して使うWebアプリです(kintoneのプラグインではありません)。提供元の株式会社ソトバコは、サイボウズのプロダクトパートナー(2025年10月認定)です。ドラッグ&ドロップの操作だけで、ここまで紹介したタブ構成を組み立てられます。
- タブ整理・閲覧権限:アプリをタブごとに分類し、組織・グループ・ユーザーの3軸で閲覧権限を設定できます。案件タブに個人単位で権限を追加できるため、掛け持ちメンバーへの権限付与も個別に調整できます
- グループ複製・タブ移動:アプリカードを含むグループをまるごと複製し、別のタブへ移動できます。案件タブのひな形を用意しておけば、新しい案件の準備が早くなります
- スマートフォン対応:kintoneの全体カスタマイズにJSファイルを1つアップロードすると、スマホでもPCと同じタブ構成で表示できます。客先常駐や外出先からも自分の案件タブを開けます
- スペースリンク(スタンダードプラン):kintoneのスペースをリンクカードとして並べられます。スペース名やカバー画像はkintone側の変更に自動で同期されます
- 全体アナウンス(ライトプラン以上):全社への連絡事項を配信できます。過去のお知らせはアーカイブとして残ります
価格(税抜)
| プラン | 月額(月払い) | 年額(年払い) |
|---|---|---|
| フリー | ¥0 | ¥0 |
| ライト | ¥3,800 | ¥36,000 |
| スタンダード | ¥9,800 | ¥108,000 |
kintone1環境につき1契約で、ユーザー数による課金はありません(2026年9月時点)。案件やメンバーが増えても料金は変わりません。フリープランは期間制限なし、決済情報の登録も不要です。
こんなIT・システム受託開発会社のkintone管理者におすすめ
- 案件ごとにアプリが増え、終了した案件のアプリがそのままポータルに残っている
- エンジニアやデザイナーが複数案件を掛け持ちしており、無関係な案件のアプリも一緒に表示されて探しにくいと言われる
- 協力会社やフリーランスに一部の工程を委託しており、社内向けの整理と社外とのやり取りを分けて考えたい
- 管理者1〜2名で運用しており、HTML・JavaScriptでのカスタマイズまでは手が回らない
まとめ
- IT・システム受託開発やWeb制作会社のkintoneは、案件ごとにアプリが増え、掛け持ちメンバーや終了案件の整理も必要になるため、ポータルが煩雑になりやすい
- kintone標準の複数ポータルは、ポータルごとに閲覧できる人を絞れず、2枚目以降はPC版でしか表示されない
- 案件を軸にタブを分け、閲覧権限をユーザー単位でも組み合わせると、掛け持ちメンバーにも自分が関わる案件だけを見せられる
- 案件が終わったらタブの閲覧権限を外すかタブごと削除し、協力会社・フリーランスとのやり取りはkintoneのゲストスペースで完結させる
案件を軸にしたkintoneのポータルを管理者1人で作るなら、ドラッグ&ドロップで完結するソトバコポータルが最短の方法です。

