kintone税理士ポータル活用|確定申告・顧問先決算で変えるタブ構成
kintone税理士ポータル活用|確定申告・顧問先決算で変えるタブ構成
「確定申告シーズンなのに、去年の年末調整で使ったアプリがまだポータルのトップに残っていて探しにくい」「顧問先ごとの決算・申告期限がそれぞれの担当者の手元でしか把握できておらず、期限直前にまとめて確認することになった」——税理士事務所・会計事務所でkintoneを担当していて、こんな場面に心当たりはありませんか?
税理士事務所のkintoneは、顧問先ごとの情報と事務所内の業務管理アプリが同じポータルに並びます。顧問先の決算月がそれぞれ異なるため一年を通じてどこかの顧問先が申告期限を迎えており、そこに確定申告・年末調整という年1回の大きな繁忙期が重なります。繁忙期が終わっても以前のアプリがポータルに残ったままだと、次の繁忙期が来るころには何がどこにあるのか分からなくなります。
この記事では、税理士事務所のkintoneポータルを時期に合わせてタブごと入れ替える構成例と、顧問先ごとの申告期限を追う工夫、顧問先情報の扱いで押さえておきたい点を紹介します。
この記事でわかること
- 税理士事務所のkintoneポータルが時期のたびに使いにくくなる理由
- 確定申告・年末調整/法定調書・顧問先決算で切り替えるタブ構成の具体例
- 顧問先ごとの申告期限の管理・情報の取り扱いで押さえる3つのポイント
税理士事務所のkintoneでポータルが使いにくくなる3つの理由
この記事では、複数の顧問先を継続的に担当する税理士事務所・会計事務所を想定しています。顧問先の数が増えるほど、ポータルに並ぶ情報の量も増えるためです。
理由①:顧問先ごとの情報と、事務所内の業務管理アプリが両方増える
サイボウズの士業向け活用ページでは、税理士・会計を含む幅広い士業を対象に、顧問先・顧客情報の管理、案件・手続きの進捗管理、日報・工数管理をkintoneでまとめる活用法を紹介しています(士業にkintone|業種別の活用方法、2026年9月時点)。
実際の導入ではアプリの数がさらに増えます。サイボウズが紹介している税理士法人の導入事例には、顧客情報管理・社外スタッフ管理・スポット業務管理(会社設立や許可申請)・FAQ・役員任期管理・業務日報など、15ほどのアプリをkintoneで運用している例や、社員ごとに月次の業務内容を記録する日報アプリと、顧問先情報・顧問料を管理する顧問先管理アプリを連携させている例があります(2026年9月時点)。顧問先ごとの情報を扱うアプリと、事務所内の業務管理アプリが同じポータルに並ぶため、担当者は自分の仕事に関係するアプリを探すだけで一苦労です。
理由②:顧問先ごとに決算月がばらばらで、通年どこかの申告期限を抱える
法人の決算月は顧問先ごとに異なります。法人税の確定申告書の提出期限は、原則として事業年度終了の日の翌日から2か月以内です(定款の定めなどによる延長の特例もあります。法人税、地方法人税及び防衛特別法人税の申告|国税庁、2026年9月時点)。顧問先を何十社と抱える事務所では、1年のうちほぼ毎月どこかの顧問先が決算・申告のタイミングを迎えます。
これに加えて、個人の確定申告(1月〜3月頃)、年末調整・法定調書(11月〜1月頃)という、事務所全体が忙しくなる年1回の大きな山が重なります。税理士事務所の業務は「通年ペースで回る顧問先ごとの決算対応」と「年1回まとめて来る確定申告・年末調整」の二重構造になっており、どちらもポータルで見えるようにしておかないと、担当者の頭の中だけで期限を管理することになります。
理由③:確定申告・年末調整の時期になると、使うアプリが丸ごと入れ替わる
確定申告や年末調整・法定調書の時期になると、その期間だけ使う進捗管理やチェックリストのアプリが増え、時期が終われば使わなくなります。1年中同じタブ構成のままにしておくと、通常期には使わないアプリがずっと表示され続け、逆に繁忙期には必要なアプリがどこにあるのか探す手間が生まれます。
標準機能で整理する方法と、その限界
kintone標準の機能でも、ある程度の整理はできます。
- スペースを部署ごと・顧問先グループごとに作る:参加メンバーだけに公開する設定にすれば、関係者以外には表示されません
- アプリのアクセス権を設定する:閲覧できない人にはアプリが一覧に出なくなります
- お気に入りに登録してもらう:各自がよく使うアプリをすぐ開けるようになります
一方で、kintone標準のポータルは、2025年7月のアップデートで2枚目以降を作れるようになり、組織ごとに最初に表示するポータルも指定できます(ライトコースは対象外)。ただし、ポータル自体に閲覧できる人を絞る設定はなく、全員がすべてのポータルを切り替えて見られます。また、2枚目以降のポータルはPC版でのみ表示されます(ポータルの見かた|kintone ヘルプ、2026年9月時点)。「確定申告の時期だけ税務担当に申告進捗のタブを見せる」というように、担当者ごとに見せる範囲を分けることはできません。
部署別の表示をめぐる標準機能の限界は、kintoneポータル部署別表示の3つの限界|ノーコードで見せ分ける方法で詳しく解説しています。
税理士事務所向けタブ構成の具体例

ここでは、通年で使うタブと、確定申告・年末調整の時期だけ表示するタブを分ける構成例を紹介します。タブごとに閲覧権限を設定すると、担当者には自分に関係するタブだけが表示されます。
| タブ | 主な利用者 | 入れるアプリの例 | 表示する時期の目安 |
|---|---|---|---|
| 顧問先管理・決算スケジュール | 全担当者 | 顧問先情報、対応履歴、FAQ、顧問先ごとの決算月・申告期限一覧 | 通年 |
| 確定申告 | 税務担当 | 確定申告進捗管理、資料預かりチェックリスト | 1月〜3月頃 |
| 年末調整・法定調書 | 税務担当 | 年末調整回収状況、源泉徴収票発行管理、法定調書合計表提出管理 | 11月〜1月頃 |
| 総務・経理 | 事務スタッフ | 勤怠、経費精算、備品管理 | 通年 |
| 全社共有 | 全職員 | 規程・マニュアル、お知らせ | 通年 |
顧問先管理・決算スケジュールタブ
顧問先情報・対応履歴・FAQなど、担当者が毎日開くアプリをまとめる中心のタブです。顧問先ごとの決算月・申告期限をまとめたアプリもこのタブに置き、通年で「今どの顧問先が申告期限に近いか」を確認できるようにします。月ごとの決算対応が、特定の担当者の頭の中だけに閉じずに済みます。
確定申告タブ・年末調整/法定調書タブ
いずれも、その時期だけ使う進捗管理・チェックリストのアプリをまとめたタブです。確定申告タブは所得税の申告業務、年末調整/法定調書タブは源泉徴収票の発行や法定調書合計表の提出を担う担当者に閲覧権限を絞ります。時期の直前にタブを表示し、時期が終われば非表示にするか、タブの並び順を後ろに下げます。
総務・経理タブ、全社共有タブ
勤怠・経費精算・備品管理など内勤が使うアプリは総務・経理タブに、規程やお知らせなど職種を問わず届けたい情報は全社共有タブにまとめます。繁忙期タブの入れ替えに関わらず、常に同じ場所に表示しておくタブです。
繁忙期が終わったら、タブを入れ替える
ソトバコポータルでは、タブの追加・並び替え・閲覧権限の変更を管理者がドラッグ&ドロップで行えます。確定申告が終わったら確定申告タブを非表示にし、年末調整/法定調書タブを前面に出す、といった入れ替えをそのつど手作業で行う運用です。日付を指定して自動的に表示・非表示が切り替わる機能ではないため、「確定申告が始まったら確定申告タブを先頭に出す」「法定調書の提出が終わったら一番後ろに下げる」というように、組み替える担当者とタイミングをあらかじめ決めておくと切り替え漏れを防げます。
新しいタブ構成を試すときは、限定公開機能で一部の担当者にだけ先行公開し、並びに問題がないか確認してから事務所全体に広げると混乱が起きにくくなります。
業務の流れでタブを分ける考え方はkintone製造業ポータル活用|業務別タブ構成の具体例を紹介でも紹介しています。
通年タブと繁忙期タブに分けるだけなら、フリープラン(4タブまで)で試せます。まずは「顧問先管理・決算スケジュール」「確定申告」「総務・経理」「全社共有」の4タブから始めてみませんか。ソトバコポータルを無料で試す →
顧問先対応で押さえる3つのポイント
タブを分けたら、次は顧問先を抱える税理士事務所ならではの運用を整えます。
ポイント①:顧問先ごとの申告期限は、未処理一覧・グラフで追う
確定申告や年末調整、顧問先の決算対応のアプリにkintoneのプロセス管理(レコードごとにステータスと作業者を設定し、作業者を順に引き継いでいく機能)を設定し、「未着手→対応中→完了」のようにステータスを決めます。担当者を作業者に指定しておけば、自分が対応すべき顧問先の手続きがkintoneの未処理一覧に並びます。ソトバコポータルでは、この未処理一覧をサイドバーに表示できます(全プラン)。
さらに顧問先管理タブに、申告期限が近い顧問先を担当者別に集計するグラフを置けば、ポータルを開くだけで「誰の手元に何件、期限が迫った顧問先が残っているか」が分かります。
ポイント②:締切や資料回収の連絡は、全体アナウンスで届ける
確定申告・年末調整の時期には「資料の回収締切を前倒しする」「申告の最終チェック日を決めた」といった事務所全体への連絡が増えます。こうした連絡をスペースのスレッドや業務アプリのコメントに書くと、通知の中に埋もれがちです。ソトバコポータルの全体アナウンス(ライトプラン以上)を使えば、ポータルの上部に連絡事項を表示でき、過去のお知らせもアーカイブとして残ります。
ポイント③:顧問先情報は、kintoneのアクセス権で守る
ポータルのタブを見せないことと、データを見られなくすることは別の話です。ソトバコポータルが制御するのはポータル上のタブの表示で、アプリやレコードを誰が閲覧・編集できるかはkintone側のアクセス権で決まります。税理士には税理士法第38条により「正当な理由がなくて、税理士業務に関して知り得た秘密を他に洩らし、又は窃用してはならない」という秘密を守る義務が課されています(税理士法違反行為|国税庁、2026年9月時点)。
顧問先の財務情報や個人情報を扱うアプリは、まずkintoneのアプリのアクセス権で利用できる担当者を絞り、顧問先単位で見せる範囲を分けたい場合はレコードのアクセス権も設定します。そのうえでポータルのタブを同じ範囲に合わせれば、「見られないアプリが一覧に並ぶ」状態もなくなります。アクセス権とポータル整理の役割分担は、kintoneで部署ごとにアプリを見せ分ける方法|管理者向け実践ガイドで詳しく解説しています。

タブ構成を実現するソトバコポータルの機能
ソトバコポータルは、kintoneに接続して使うWebアプリです(kintoneのプラグインではありません)。提供元の株式会社ソトバコは、サイボウズのプロダクトパートナー(2025年10月認定)です。ドラッグ&ドロップの操作だけで、ここまで紹介したタブ構成を組み立てられます。
- タブ整理・閲覧権限:アプリをタブごとに分類し、組織・グループ・ユーザーの3軸で閲覧権限を設定できます。確定申告・年末調整のタブ入れ替えも、既存のタブを並び替えたり閲覧権限を変更したりするだけで完了します
- 通知一覧・未処理一覧・グラフ表示:通知と未処理はサイドバーに表示できます(全プラン)。グラフはフリープランで1タブ1個まで、ライトプラン以上は無制限です
- 限定公開:新しいタブ構成を一部の担当者だけに先行公開してから、事務所全体に広げられます
- スマートフォン対応:kintoneの全体カスタマイズにJSファイルを1つアップロードすると、外出中でもスマホから同じタブ構成を確認できます
- 全体アナウンス(ライトプラン以上):確定申告・年末調整の締切変更など、事務所全体への連絡を配信できます。過去のお知らせはアーカイブとして残ります
価格(税抜)
| プラン | 月額(月払い) | 年額(年払い) |
|---|---|---|
| フリー | ¥0 | ¥0 |
| ライト | ¥3,800 | ¥36,000 |
| スタンダード | ¥9,800 | ¥108,000 |
kintone1環境につき1契約で、ユーザー数による課金はありません(2026年9月時点)。確定申告・年末調整の時期にパート・臨時スタッフを増やしても料金は変わりません。フリープランは期間制限なし、決済情報の登録も不要です。
こんな税理士事務所のkintone管理者におすすめ
- 確定申告や年末調整のたびに、使わなくなったアプリがポータルに残っている
- 顧問先ごとの決算・申告期限が、担当者の手元でしか把握できていない
- 顧問先の個人情報・財務情報は、担当する職員だけに見せたい
- 管理者1〜2名で運用しており、HTML・JavaScriptでのカスタマイズまでは手が回らない
まとめ
- 税理士事務所のkintoneは、顧問先ごとに決算月がばらばらで通年どこかの申告期限を抱えるうえ、確定申告・年末調整の時期にはアプリが丸ごと入れ替わるため、ポータルが煩雑になりやすい
- kintone標準の複数ポータルは、ポータルごとに閲覧できる人を絞れず、2枚目以降はPC版でしか表示されない
- 顧問先管理・決算スケジュール・総務経理・全社共有の通年タブに加え、確定申告・年末調整/法定調書の繁忙期タブを用意し、時期に合わせて管理者がタブを入れ替えると整理しやすい
- 顧問先ごとの申告期限は未処理一覧・グラフで追い、締切の連絡は全体アナウンスで届け、顧問先情報は税理士法第38条の守秘義務を踏まえてkintoneのアクセス権で守る
時期ごとに見え方を切り替えるkintoneの税理士ポータルを管理者1人で作るなら、ドラッグ&ドロップで完結するソトバコポータルが最短の方法です。

