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kintone自治体ポータル活用|課横断のタブ構成と人事異動に強い設計


kintone自治体ポータル活用|課横断のタブ構成と人事異動に強い設計

「4月に異動してきた職員から、自分の課のアプリがどれか分からないと聞かれた」「他の課の許認可申請のアプリばかり並んでいて、自分の業務のアプリが埋もれている」——自治体の庁内でkintoneを担当していて、こんな場面に心当たりはありませんか?

自治体のkintoneは、電子決裁や予算管理のように庁内共通で使うアプリと、住民対応・許認可業務のように課ごとに使うアプリが同じポータルに並びます。そのうえ多くの自治体では4月に一斉の人事異動があり、担当者も見るべきアプリも一気に入れ替わります。ポータルが課をまたぐ構造のまま放置されていると、異動のたびに「どこに何があるか」を職員が探し直すことになります。

この記事では、自治体のkintoneポータルを庁内共通と課別で分けるタブ構成例と、人事異動があってもポータルを作り直さずに済む設計の考え方、庁内のお知らせを課をまたいで届けるポイントを紹介します。


この記事でわかること

  • 自治体のkintoneポータルが使いにくくなる3つの理由
  • 庁内共通・課別で分けるタブ構成の具体例
  • 4月の人事異動でもポータルを作り直さずに済む設計の考え方
  • 庁内のお知らせを課をまたいで届けるポイント
ソトバコポータルのマルチデバイス対応画面

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自治体のkintoneでポータルが使いにくくなる3つの理由

自治体は、kintoneのアプリが「庁内共通の業務」と「課固有の業務」の両方で増えていく組織です。サイボウズの自治体向けページでも、電子決裁・回覧アプリや予算管理アプリは「全庁的」「全職員で使える」業務として、議会答弁管理・人事評価・市民の声管理・避難所運営といったアプリは特定の課や場面で使う業務として紹介されています(キントーンで「できること」|行政職員向けキントーン特設サイト、2026年9月時点)。

理由①:庁内共通の業務と、課固有の業務が同じポータルに並ぶ

電子決裁・回覧、予算管理、庁内お知らせのように全職員が使うアプリと、住民対応・福祉・防災のように特定の課しか使わないアプリが、区別なくポータルに並びます。総務課の職員には福祉課の給付管理アプリが、福祉課の職員には防災の避難所運営アプリが、それぞれ不要なアプリとして目に入ります。

理由②:課の数が多く、担当外のアプリまで並ぶ

自治体は課の数が多く、それぞれの課が独自の業務アプリを持ちます。課をまたいで共有される情報(庁内お知らせ、研修案内など)と、課の中だけで完結する情報(許認可の進捗、住民からの相談記録など)が入り混じると、ポータルを開くたびに自分の課のアプリを探す手間が発生します。

理由③:4月の人事異動で、担当者と見るべきアプリが一斉に入れ替わる

多くの自治体では4月に一斉の人事異動があり、職員の担当課が入れ替わります。サイボウズが紹介している県の導入事例でも、県と市町村をつなぐ担当者名簿のアプリについて、異動が行われる春先に各団体に直接更新してもらう運用が紹介されています(2026年9月時点)。異動のたびに情報を更新する作業は、自治体のkintone運用について回ります。ポータルの見せ方を個人単位で作り込んでいると、異動のたびに管理者がタブや権限を手直しすることになります。


標準機能で整理する方法と、その限界

kintone標準の機能でも、ある程度の整理はできます。

  • スペースを課ごとに作る:参加メンバーだけに公開する設定にすれば、他の課の職員には表示されません
  • アプリのアクセス権を設定する:閲覧できない人にはアプリが一覧に出なくなります
  • お気に入りに登録してもらう:各自がよく使うアプリをすぐ開けるようになります

一方で、kintone標準のポータルは、2025年7月のアップデートで2枚目以降を作れるようになり、組織ごとに最初に表示するポータルも指定できます(ライトコースは対象外)。ただし、ポータル自体に閲覧できる人を絞る設定はなく、全員がすべてのポータルを切り替えて見られます。また、2枚目以降のポータルはPC版でのみ表示されます(ポータルの見かた|kintone ヘルプ、2026年9月時点)。「福祉課の職員には福祉のアプリだけ、総務課の職員には人事・文書のアプリだけ」というように課ごとに見せる範囲を分けることはできません。お気に入りは個人の操作に頼るため、異動のたびに職員が自分で登録し直すことになります。

部署別の表示をめぐる標準機能の限界は、kintoneポータル部署別表示の3つの限界|ノーコードで見せ分ける方法で詳しく解説しています。


自治体向けタブ構成の具体例

ソトバコポータルでkintoneのアプリをタブ整理した画面。営業部タブが選択され、部署・業務ごとのタブとグループ分けされたアプリカードが表示されている

ここでは、課をまたいで使う業務と、課の中だけで使う業務でタブを分ける構成例を紹介します。タブごとに閲覧権限を設定すると、権限のない課の職員にはそのタブが表示されません。

タブ主な利用者入れるアプリの例閲覧権限の例
庁内共通全職員電子決裁・回覧、庁内お知らせ、研修・会議案内、公用車予約全職員
住民対応・申請受付窓口担当課市民の声管理、各種申請受付、コールセンター記録住民課・窓口担当課
総務・人事総務課人事評価、文書管理、公用車管理、予算管理総務課・財政担当
福祉・介護福祉課介護保険認定調査、給付管理、相談記録福祉課
防災・危機管理防災担当課避難所運営、防災備蓄品管理防災担当課

庁内共通タブ

電子決裁・回覧、予算管理、庁内お知らせなど、課を問わず全職員が使うアプリをまとめ、先頭に置きます。異動して間もない職員も、まずこのタブを開けば庁内の基本的な手続きにたどり着けます。

住民対応・申請受付タブ

市民の声や各種申請の受付など、窓口業務に直結するアプリをまとめます。住民対応に関わる課は複数にまたがるため、担当課だけでなく関連する課にも閲覧権限を付けておくと、他課からの問い合わせにも対応しやすくなります。

課別タブ(総務・人事、福祉・介護、防災・危機管理など)

課ごとに独自の業務アプリをまとめるタブです。福祉課の職員が防災のアプリを目にする必要はなく、防災担当が福祉の相談記録を見る必要もありません。課の数だけタブを増やすのではなく、業務内容が近い課はひとつのタブにまとめ、必要な課の組織だけに閲覧権限を付けます。

課ごとの見せ分けは「組織」で設定する

課ごとに見せるタブを変えたい場合は、kintoneの組織を「総務課」「福祉課」のように課単位で作っておくと、その組織をタブの閲覧権限にそのまま使えます。兼務している職員は、グループやユーザー単位で追加できます。

ただし、タブの閲覧権限はポータル上の表示を切り替えるもので、データそのものを守る機能ではありません。住民の個人情報や人事情報など、見せる範囲を限りたい情報は、kintoneのアプリやレコードのアクセス権で閲覧できる人を制限してください。表示はポータル、データはkintoneのアクセス権という役割分担です。この考え方はkintoneで部署ごとにアプリを見せ分ける方法|管理者向け実践ガイドでも詳しく解説しています。

業務の流れでタブを分ける考え方はkintone製造業ポータル活用|業務別タブ構成の具体例を紹介、役割でタブを分ける考え方はkintone小売業ポータル活用|本部と店舗で見せ分けるタブ構成でも紹介しています。

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人事異動とお知らせ|自治体ならではの運用で押さえる3つのポイント

タブで置き場所を整えたら、次は自治体ならではの運用に合わせて整えます。

ポイント①:閲覧権限は個人ではなく、kintoneの組織で付ける

ソトバコポータルの閲覧権限は、kintoneに登録済みの組織・グループ・ユーザーを読み込んで使います。タブの閲覧権限を職員個人ではなく課単位の組織に付けておけば、異動のたびにタブごとの権限を付け直す必要はありません。異動時に行うのは、kintone側でユーザーの所属組織を更新する作業です。

新しい課ができた、課が統合されたといった組織改編でkintoneの組織を追加・変更した場合は、ソトバコポータルの「最新の組織・グループ・ユーザー情報を取得する」ボタンで情報を取り込んでから、タブの閲覧権限に設定します。

ポイント②:兼務や臨時の配置はグループで対応する

災害対応や繁忙期には、本来の担当課以外の職員が一時的に別の業務に加わることがあります。組織の異動を伴わない一時的な配置は、課の組織とは別に「災害対応本部」のようなグループを作り、グループ単位でタブの閲覧権限を付けると、対象者の追加・除外がしやすくなります。

ポイント③:庁内のお知らせは業務アプリと分けて、ポータル上部に出す

研修案内や制度変更の周知など、課をまたいで届けたいお知らせを業務アプリのタブの中に置くと、そのタブを開いた職員にしか見えません。ソトバコポータルの全体アナウンス(ライトプラン以上)を使うと、kintoneアプリに登録したお知らせがポータル上部に表示され、どのタブを開いている職員の目にも入ります。過去のお知らせはレコードとして残るため、「先月の制度変更の通知はどれだったか」も検索で探せます。お知らせを部署別に届ける考え方は、kintoneお知らせ掲示板の3つの限界|部署別に情報を届ける方法も参考にしてください。

スマートフォンでkintoneのポータルを開いている様子。全体アナウンスの下に部署別のタブと、案件管理・活動履歴・顧客管理などのアプリカードが表示されている


タブ構成を実現するソトバコポータルの機能

ソトバコポータルは、kintoneに接続して使うWebアプリです(kintoneのプラグインではありません)。提供元の株式会社ソトバコは、サイボウズのプロダクトパートナー(2025年10月認定)です。ドラッグ&ドロップの操作だけで、ここまで紹介したタブ構成を組み立てられます。

  • タブ整理・閲覧権限:アプリをタブごとに分類し、組織・グループ・ユーザーの3軸で閲覧権限を設定できます。組織・グループはkintoneに登録済みのものをそのまま使うため、課単位の組織を作ってあれば、別途職員を登録し直す必要はありません
  • 限定公開:新しいタブ構成を一部の課だけに先行公開してから全庁に広げられます
  • 全体アナウンス(ライトプラン以上):庁内共通のお知らせをポータル上部に表示できます。過去のお知らせはアーカイブとして残ります
  • スマートフォン対応:kintoneの全体カスタマイズにJSファイルを1つアップロードすると、スマホでもPCと同じタブ構成で表示できます
  • スペース単位ポータル(スタンダードプラン):課ごとのスペースに、それぞれ別のポータルを表示できます

ソトバコポータルは、インターネット経由でkintoneに接続するWebアプリです。庁内のセキュリティポリシーでkintoneにIPアドレス制限を設定している場合は、ソトバコのIPアドレスを許可リストに追加する必要があります(詳細)。導入前に、情報システム担当にネットワークの接続方式を確認しておくとスムーズです。

価格(税抜)

プラン月額(月払い)年額(年払い)
フリー¥0¥0
ライト¥3,800¥36,000
スタンダード¥9,800¥108,000

kintone1環境につき1契約で、ユーザー数による課金はありません(2026年9月時点)。職員数の多い自治体でも、人数が増えるほど費用がかさむ心配がありません。フリープランは期間制限なし、決済情報の登録も不要です。


こんな自治体のkintone管理者におすすめ

  • 庁内共通の業務と課固有の業務が同じポータルに並び、職員から「どこに何があるか分からない」と言われる
  • 4月の人事異動のたびに、ポータルの表示や権限を手直しする作業が発生している
  • 住民の個人情報や人事情報は、必要な課の職員にだけ見せたい
  • 情報システム担当や庁内DX担当が少人数で運用しており、HTML・JavaScriptでのカスタマイズまでは手が回らない

まとめ

  • 自治体のkintoneは、庁内共通の業務と課固有の業務が同じポータルに並び、4月の一斉異動も加わるため、ポータルが使いにくくなりやすい
  • kintone標準の複数ポータルは、ポータルごとに閲覧できる人を絞れず、2枚目以降はPC版でしか表示されない
  • 庁内共通・住民対応・課別でタブを分け、閲覧権限を個人ではなくkintoneの組織に付けると、異動のたびにタブの権限を付け直さずに済む
  • 見せたくないデータはkintoneのアクセス権で守る。タブの閲覧権限はあくまで表示の整理であって、データ保護の機能ではない
  • 庁内のお知らせは業務アプリのタブと分け、全体アナウンスでポータル上部から課をまたいで届けると、周知漏れを防ぎやすい

課横断の業務と人事異動に強いkintoneのポータルを管理者1人で作るなら、ドラッグ&ドロップで完結するソトバコポータルが最短の方法です。

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