kintone介護ポータル活用|職種・事業所別タブと共用端末の注意点
kintone介護ポータル活用|職種・事業所別タブと共用端末の注意点
「夜勤明けの申し送りを書こうとしたら、どのアプリか分からないと聞かれた」「デイサービスの職員が、使わない訪問介護のアプリまで毎日目にしている」——介護事業所でkintoneを担当していて、こんな状況に心当たりはありませんか?
介護のkintoneは、ケア記録・申し送り・利用者のフェイスシート・送迎・職員の資格管理と、職種も勤務時間帯も違う人が使うアプリが1つのポータルに集まりがちです。さらに法人の中にデイサービス・訪問介護・入居施設といった複数の事業所があると、事業所ごとに使うアプリも分かれていきます。
この記事では、介護事業所のkintoneポータルを職種・事業所別のタブで整理する構成例と、夜勤の申し送り・共用タブレット・利用者の個人情報の扱いで押さえておきたい点を紹介します。
この記事でわかること
- 介護事業所のkintoneポータルが職員にとって使いにくくなる理由
- ケア記録・利用者情報・送迎・事務で分けるタブ構成の具体例
- 夜勤の申し送り・共用タブレット・個人情報の扱いで押さえる3つのポイント
介護事業所のkintoneでポータルが使いにくくなる3つの理由
介護事業所は、kintoneのアプリが「職種」と「事業所(サービスの種類)」の両方で増えていく業種です。サイボウズが公開している医療・福祉向けのサンプルアプリ13種類のうち、入居者ケア管理パック・介護福祉業フェイスシート・訪問介護記録・介護送迎バス搭乗者管理・福祉施設空室管理など7種類が介護・福祉の現場向けです(kintone 医療・福祉向けサンプルアプリ、2026年9月時点)。サイボウズの業種別ページでも、介護福祉施設の活用例としてケア記録・連絡記録の一元管理、入居者情報の管理、職員の資格・研修履歴の管理が挙げられています(医療福祉にkintone、2026年9月時点)。
理由①:1つの事業所に職種が多い
介護職はケア記録と申し送り、看護職はバイタルや服薬の記録、ケアマネジャー(介護支援専門員)や生活相談員は利用者のフェイスシートや家族との連絡記録、事務職は職員の勤怠や資格管理。同じ事業所の中でも、職種が違えば開くアプリが大きく変わります。
理由②:事業所ごとに使うアプリが違う
デイサービスでは送迎バスの搭乗者管理、訪問介護では訪問記録、入居施設では空室管理や入居希望者の管理が必要です。複数の事業所を運営する法人では、他の事業所でしか使わないアプリまでポータルに並びます。
理由③:交代勤務で、端末を共用する
介護の現場は日勤・夜勤の交代で24時間つながっており、前の勤務帯からの申し送りを確実に読む必要があります。記録は詰所の共用タブレットやPCで入力することも多く、誰が使っても迷わない入口が求められます。
標準機能で整理する方法と、その限界
kintone標準の機能でも、ある程度の整理はできます。
- スペースを事業所ごとに作る:参加メンバーだけに公開すれば、他の事業所の職員には表示されません
- アプリのアクセス権を設定する:閲覧できない人にはアプリが一覧に出なくなります
- 複数ポータルを使う:2025年7月のアップデートで2枚目以降のポータルを作れるようになり、組織ごとに最初に表示するポータルを指定できます(ライトコースは対象外)
一方で、2枚目以降のポータルはタブで切り替えて見る仕組みで、「訪問介護の職員には入居施設のポータルを表示しない」というように、職種や事業所ごとにポータルの公開範囲を分ける設定はありません。また、2枚目以降のポータルはPC版でのみ表示されます(ポータルの見かた|kintone ヘルプ、2026年9月時点)。タブレットやスマホで記録する職員には、1枚目のポータルしか届かないということです。
標準の複数ポータルとの違いは、kintone複数ポータルの制限とは|ソトバコポータルとの違いを徹底比較で詳しく比較しています。
介護事業所向けタブ構成の具体例

画面は部署・業務ごとにタブを分けた例です。介護事業所では、この区切りを「ケア」「利用者」「送迎」「事務」に置き換えます。タブごとに閲覧権限を設定し、職種や事業所の組織に必要なタブだけが表示されるようにするのがポイントです。
| タブ | 主な利用者 | 入れるアプリの例 | 閲覧権限の例 |
|---|---|---|---|
| ケア記録・申し送り | 介護職・看護職 | ケア記録、申し送り、バイタル記録、事故・ヒヤリハット報告 | 現場の全職員 |
| 利用者情報 | ケアマネジャー・生活相談員・看護職 | フェイスシート、入居者ケア管理、家族との連絡記録 | 相談員・ケアマネ・看護職・管理者 |
| 送迎・予定 | デイサービスの職員 | 送迎バス搭乗者管理、行事予定、利用予定 | デイサービスの組織 |
| 入居・空室 | 入居施設の相談員・管理者 | 入居希望者管理、空室管理 | 入居施設の組織 |
| 職員・事務 | 事務職・管理者 | 勤怠、休暇申請、資格・研修履歴、備品管理 | 事務・管理者 |
ケア記録・申し送りタブ
介護職・看護職が毎日開くアプリをまとめる中心のタブです。事故・ヒヤリハット報告も同じタブに置くと、記録のついでに報告しやすくなります。
利用者情報タブ
フェイスシートや家族との連絡記録など、利用者一人ひとりの情報を扱うアプリをまとめます。見る必要のある職種が限られるため、相談員・ケアマネジャー・看護職・管理者に閲覧権限を絞ったタブにします。
送迎・予定タブ、入居・空室タブ
特定の事業所でしか使わないアプリは、事業所ごとのタブに分けます。デイサービスの組織には送迎・予定タブ、入居施設の組織には入居・空室タブだけを表示すれば、他の事業所のアプリが一覧に混ざりません。事業所の数が多い法人では、スペース単位ポータル(スタンダードプラン)で事業所のスペースごとに別のポータルを表示する方法もあります。
職員・事務タブ
勤怠・休暇申請・資格や研修の履歴など、職員の管理に使うアプリをまとめます。介護報酬の請求や記録を専用の介護ソフトで行っている事業所なら、外部リンクのアプリカードで介護ソフトや勤怠システムの入口もここに並べられます。
業務の流れでタブを分ける考え方はkintone製造業ポータル活用|業務別タブ構成の具体例を紹介、職種でタブを分ける考え方はkintone建設業ポータル活用|現場と内勤で分けるタブ構成例でも紹介しています。
ケア・利用者・事務の3〜4タブに分けるだけなら、フリープラン(4タブまで)で試せます。まずは1つの事業所で「ケア記録・申し送り」「利用者情報」「職員・事務」の3タブから始めてみませんか。ソトバコポータルを無料で試す →
夜勤・共用タブレット・個人情報|介護現場で押さえる3つのポイント
タブを分けたら、次は介護の現場ならではの使われ方に合わせて整えます。
ポイント①:申し送りのタブを先頭に置き、勤務帯をまたいで読ませる
介護の情報は、勤務帯の切り替わりで途切れやすくなります。申し送りのアプリは「ケア記録・申し送り」タブの左上に置き、出勤したら最初に開く場所として決めておきます。事業所全体に伝えたい連絡(感染症対策の変更、行事の予定など)は、利用者ごとの申し送りとは分けて全体アナウンス(ライトプラン以上)で配信すると、個別の記録に埋もれません。
ポイント②:共用タブレットは職員ごとのログインを前提にする
ソトバコポータルのタブの表示は、ログインしているkintoneユーザーの組織・グループで決まります。共用タブレットを1つのアカウントでログインしたまま使うと、誰が開いても同じタブが表示され、記録にも同じ入力者名が残ります。見せ分けを効かせるには、職員が勤務の始めに自分のアカウントでログインし、終わりにログアウトする運用が前提です。個人情報保護委員会と厚生労働省のガイダンスでも、技術的安全管理措置として「IDやパスワード等による認証、各職員の業務内容に応じて業務上必要な範囲にのみアクセスできるようなシステム構成の採用等」が挙げられています(医療・介護関係事業者における個人情報の適切な取扱いのためのガイダンス、令和8年4月一部改正)。
ポイント③:利用者の個人情報はkintoneのアクセス権で守る
ポータルのタブを見せないことと、データを見られなくすることは別の話です。ソトバコポータルが制御するのはポータル上のタブの表示で、アプリやレコードを誰が閲覧・編集できるかはkintone側のアクセス権で決まります。フェイスシートのように利用者の個人情報を扱うアプリは、まずkintoneのアプリのアクセス権で利用できる職種を絞り、事業所ごとに分けたい場合はレコードのアクセス権も設定します。そのうえでポータルのタブを同じ範囲に合わせれば、「見られないアプリが一覧に並ぶ」状態もなくなります。アクセス権とポータル整理の役割分担は、kintoneで部署ごとにアプリを見せ分ける方法|管理者向け実践ガイドで詳しく解説しています。
病院・クリニックでも考え方は同じです。医師・看護師・医事課・地域連携室と職種ごとにタブを分け、患者情報を扱うアプリはkintoneのアクセス権で閲覧範囲を絞ります。

タブ構成を実現するソトバコポータルの機能
ソトバコポータルは、kintoneに接続して使うWebアプリです(kintoneのプラグインではありません)。提供元の株式会社ソトバコは、サイボウズのプロダクトパートナー(2025年10月認定)です。ドラッグ&ドロップの操作だけで、ここまで紹介したタブ構成を組み立てられます。
- タブ整理・閲覧権限:アプリをタブごとに分類し、組織・グループ・ユーザーの3軸で閲覧権限を設定できます。組織・グループはkintoneに登録済みのものをそのまま使うため、事業所や職種の組織を登録し直す必要はありません
- スマートフォン対応:kintoneの全体カスタマイズにJSファイルを1つアップロードすると、スマホやタブレットでもPCと同じタブ構成で表示できます
- 外部リンク:介護ソフトや勤怠システムなど、kintone以外のサービスの入口もアプリカードとして並べられます
- 全体アナウンス(ライトプラン以上):感染症対策や行事など、事業所全体への連絡を配信できます。過去のお知らせはアーカイブとして残ります
- スペース単位ポータル(スタンダードプラン):事業所ごとのスペースに、それぞれ別のポータルを表示できます
価格(税抜)
| プラン | 月額(月払い) | 年額(年払い) |
|---|---|---|
| フリー | ¥0 | ¥0 |
| ライト | ¥3,800 | ¥36,000 |
| スタンダード | ¥9,800 | ¥108,000 |
kintone1環境につき1契約で、ユーザー数による課金はありません(2026年9月時点)。パート・夜勤専従の職員まで含めて全員に使ってもらっても料金は変わらないため、職員数の多い法人でも費用を見積もりやすい料金体系です。フリープランは期間制限なし、決済情報の登録も不要です。
こんな介護事業所のkintone管理者におすすめ
- 職員から「申し送りのアプリがどれか分からない」「入力するアプリを間違えた」と声が上がる
- デイサービス・訪問介護・入居施設など複数の事業所で、同じkintoneを使っている
- 利用者情報を扱うアプリは、相談員やケアマネジャーなど必要な職種の入口にだけ並べたい
- 介護の仕事と兼務で管理しており、HTML・JavaScriptでのカスタマイズまでは手が回らない
まとめ
- 介護事業所のkintoneは、職種・事業所ごとに使うアプリが違い、交代勤務で端末も共用するため、ポータルが煩雑になりやすい
- kintone標準の複数ポータルは組織ごとに最初の表示を指定できるが、職種や事業所ごとに公開範囲を分ける設定はなく、2枚目以降はPC版のみの表示
- ケア記録・申し送り、利用者情報、送迎・予定、入居・空室、職員・事務に分け、閲覧権限で職種・事業所に必要なタブだけを見せると整理しやすい
- 申し送りは先頭タブに置き、共用タブレットは職員ごとのログインを前提にし、個人情報はkintoneのアクセス権で守る
職種と事業所で見え方を分けるkintoneの介護ポータルを管理者1人で作るなら、ドラッグ&ドロップで完結するソトバコポータルが最短の方法です。

