不定貫とは|定貫との違いと、重さがそろわない商品を棚卸で数える単位の決め方
不定貫(ふていかん)とは、1個ごとに重さが違う商品のことです。 精肉、鮮魚、チーズのかたまり、青果などが代表的です。反対に、1個あたりの重さがそろっている商品は「定貫(ていかん)」と呼びます。
「貫」は、日本で昔使われていた重さの単位です。重さが一定ではない商品は、個数を数えただけでは金額が決まりません。そのため、棚卸で何を数えればいいのかが、定貫の商品より一段むずかしくなります。
この記事でわかること
- 不定貫と定貫の違い
- 不定貫の商品が、棚卸でむずかしくなる理由
- 棚卸で個数と重さのどちらで数えるかの決め方
不定貫と定貫の違い
| 定貫 | 不定貫 | |
|---|---|---|
| 1個あたりの重さ | そろっている | 1個ごとに違う |
| 金額の決まり方 | 個数 × 1個の単価 | 重さ × 重さあたりの単価 |
| 代表的な商品 | 缶詰、袋菓子、パック済みの加工食品 | 精肉、鮮魚、チーズのかたまり、青果 |
同じ商品でも、仕入れるときは不定貫、売るときは定貫になることがあります。たとえばブロックで仕入れた肉を、決まった重さのパックに切り分けて出荷する場合です。仕入れと出荷で単位が変わるのも、不定貫の在庫を扱いにくくする理由の1つです。
取引で重さを量るはかりには、法律のルールがある
不定貫の商品は重さで取引するので、量るはかりにも決まりがあります。計量法第16条では、取引や証明のために重さなどを量るときは、検定に合格した証印の付いた特定計量器を使わなければならないとされています。
取引で使う重さは、検定を受けたはかりで量ることが求められます。棚卸で量る重さも、出荷で使っているのと同じはかりで量ると、帳簿の数字と比べたときに差の原因を追いやすくなります。
不定貫の商品が、棚卸でむずかしくなる理由
不定貫の商品は、棚卸で次の3つが重なります。
| 理由 | 何が起きるか |
|---|---|
| 個数だけでは金額が出ない | 「3ケース」と数えても、重さがわからなければ金額にならない |
| 量る作業が増える | 1つずつはかりに載せるので、数えるだけの品目より時間がかかる |
| 数え方が人によって変わる | 個数で数える人と重さで記録する人が混ざり、前回と比べられなくなる |
棚卸しの大半が不定貫商品で、計量器で重さを測って紙に記録しています。 — 食品卸 / 管理担当
とくに3つ目が厄介です。前回は重さで記録したのに、今回は個数で数えてしまうと、その差がそのまま棚卸の差異として出てきます。
判断基準:単価の単位に合わせて、数える単位を決める
不定貫の商品を棚卸でどう数えるかは、1つの基準で決めます。
「単価がkgで決まっている品目は重さで、1個・1パックで決まっている品目は個数で数える」
棚卸の最後には、数量に単価をかけて金額を出します。単価の単位と数える単位がそろっていないと、どこかで換算が必要になり、そこで間違いが起きます。単価の単位に合わせておけば、換算そのものがいりません。
この基準で、品目ごとに次のように決めておきます。
- 商品マスタや単価表を見て、品目ごとに単価の単位(kg・個・パック・ケース)を確かめる
- 単価がkgの品目は「重さで数える品目」、それ以外は「個数で数える品目」に分ける
- 重さで数える品目は、記録する単位(kg・g)と小数点以下の桁数を決める
- この区分を棚卸リストに書いておき、毎回同じ単位で数える
大事なのは、どちらの単位を選ぶかより、毎回同じ単位で数えることです。数える単位と呼び名のそろえ方は、食品工場の棚卸でも整理しています。
まとめ
- 不定貫とは、1個ごとに重さが違う商品。反対は定貫
- 不定貫の商品は、個数を数えただけでは金額が決まらない
- 取引で重さを量るはかりは、検定に合格したものを使う決まりがある(計量法第16条)
- 棚卸では、単価がkgの品目は重さで、それ以外は個数で数える
- どちらで数えるかより、毎回同じ単位で数えることが大事
温度帯が分かれた食品の現場で、不定貫の商品を含めた棚卸をどう段取るかは、食品工場の棚卸で詳しくまとめています。
※本記事の内容は2026年9月時点のものです。
よくある質問
- Q. 不定貫の「貫」とは何ですか?
- A. 「貫」は、日本で昔使われていた重さの単位です。1個あたりの重さが一定のものを定貫、一定でないものを不定貫と呼びます。いまは重さの単位としては使われていませんが、商取引の言葉として残っています。
- Q. 不定貫の商品は、棚卸で全部を量らないといけませんか?
- A. 単価が重さで決まっている品目は、重さで数える必要があります。単価が1個・1パックで決まっている品目は、個数で数えればかまいません。どちらで数えるかは、品目ごとに単価の単位に合わせて決めておきます。
- Q. ケースの数だけ数えて、重さは平均で計算してもいいですか?
- A. ケース数に平均重量をかけて概算する方法もありますが、請求や決算で使う金額と差が出やすくなります。どこまでを概算で済ませてよいかは、経理や顧問税理士と決めておいてください。
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