冷凍倉庫の棚卸|生鮮・食肉・冷凍品で詰まるところと、冷凍庫にいる時間を短くする段取り
「冷凍庫だと手がかじかんで紙に書けないことがありました」。
鮮魚や冷凍品を扱う食品卸の方から、棚卸について伺った言葉です。冷凍倉庫や、生鮮・食肉を扱う冷蔵庫の棚卸は、常温の倉庫とは別の理由で詰まります。数える量が同じでも、寒さ、霜、積み上げた箱、届かない電波が、1つ1つの作業を長引かせます。
冷凍倉庫の在庫管理を調べると、温度帯の区分や倉庫管理システムの話が中心で、冷凍庫の中での棚卸の作業そのものを扱った記事はほとんど見当たりません。この記事では、冷凍庫の中で棚卸が詰まるところを整理し、冷凍庫にいる時間を短くする段取りをまとめます。
この記事でわかること
- 冷凍倉庫・生鮮の棚卸が詰まる6つのところ
- 詰まりどころごとの対処
- 冷凍庫にいる時間を短くする棚卸の段取り
冷凍倉庫・生鮮の棚卸が詰まる6つのところ
| 詰まるところ | 棚卸で起きること |
|---|---|
| 寒さ | 手がかじかんで書けない。長くいられない |
| 手袋 | ペンが持ちにくい。紙がめくりにくい。画面が押しにくい |
| 霜・結露 | ラベルや印字が読めない。紙が濡れる |
| 積み上げた箱 | 奥や下の箱が見えない。数えるために動かすと時間がかかる |
| 電波 | 冷凍庫の中でWi-Fiや携帯の電波が届かず、端末が使えないことがある |
| 期限・ロットの混在 | 同じ品目でも入荷日の違う箱が並び、数だけでは済まない |
常温の倉庫なら数秒で済む「書く」「読む」「探す」が、冷凍庫ではそれぞれ長引きます。棚卸全体が長くなるのは、この小さな遅れが積み重なるためです。
詰まりどころごとの対処
寒さと手袋:冷凍庫の中で「書く」をなくす
冷凍庫での棚卸を長引かせる最大の原因は、冷凍庫の中で文字を書くことです。手袋のままではペンが持ちにくく、外せば手がかじかみます。
対処の基本は、冷凍庫の中で書く作業を減らすことです。品名の書き取りや、棚卸リストのどの行かを探す作業は、冷凍庫を出てから行います。冷凍庫の中では、数だけ、あるいは撮って数を入れるだけ、のように片手で済む記録に絞ります。
霜・結露:読める面を探しすぎない
霜がついたラベルや、ラップ越しの印字は読みにくくなります。読める面を探して箱を回しているうちに、時間が過ぎていきます。
冷凍庫の中ではラベルを読み解こうとせず、あとから確かめられる形で記録して先へ進むほうが、滞在時間は短くなりやすいです。冷凍庫を出て霜が落ちてから確かめる、写真に残して事務所で確かめる、といった方法があります。
積み上げた箱:見える面で数え、動かす箱を決めておく
パレットに積み上がった箱は、奥や下が見えません。全部を動かして数えると時間がかかり、扉を開けている時間も延びます。
1段の箱数×段数で数える、ラップを巻いたパレットは入数で数える、など、動かさずに数える決めごとを先に作っておきます。開封されている箱や、崩れて入数がわからない箱だけを動かして数えるようにすると、動かす箱を減らせます。
電波:冷凍庫の中で使えるかを先に確かめる
冷凍倉庫は断熱材で囲まれているため、冷凍庫に入るとWi-Fiや携帯の電波が届かないことがあります。端末で棚卸する場合、冷凍庫の中で記録できるか、電波が戻ってから送信できるかを、本番の前に試しておきます。
期限・ロットの混在:いちばん近い期限だけ控える
同じ品目でも入荷日の違う箱が並ぶと、どれから出すかを決めるために期限が気になります。棚卸で全部の期限を記録すると終わらないので、品目ごとにいちばん近い期限だけ控えておきます。期限の近いものから出す考え方はFEFOとはで整理しています。
冷凍庫にいる時間を短くする棚卸の段取り
1. 入る前に、順番と担当を決めておく
どの場所を誰がどの順番で数えるかを、入る前に決めます。冷凍庫は最後に回し、常温や冷蔵で記録の手順に慣れてから入ると、冷凍庫の中で迷う時間が減ります。温度帯ごとの回り方は食品工場の棚卸でも解説しています。
2. 冷凍庫の中は「記録だけ」にする
冷凍庫の中でやることは、あるものを記録して数えることだけにします。品目の判断、入数の掛け算、リストとの照合は、すべて冷凍庫を出てから行います。
3. 交代で入り、1回の滞在時間を区切る
1人が長く入り続けるより、短い時間で区切って交代したほうが、手が動く状態を保てます。何分で交代するかは現場の温度や装備によるので、無理のない長さを決めておきます。
4. 出入りの回数と、扉を開けている時間を減らす
扉を開けている時間が長いと、冷凍庫の温度が上がり、品質や霜の原因になります。日本冷凍食品協会の自主的取扱基準でも、冷凍食品は品温-18℃以下に保つこととされています。必要な道具をまとめて持って入り、出入りの回数を減らします。
5. 終わったら、冷凍庫の外で照合と確認をまとめて行う
冷凍庫を出てから、記録を見ながら品目を特定し、前回との差が大きいものだけを確かめます。差の大きいものの確かめ方は棚卸が合わない原因は6つに分かれるにまとめています。
冷凍庫でも、撮って数えるだけ
弊社が提供しているラクだなは、スマホで撮って数を入れるだけで棚卸ができるアプリです。

冷凍庫の中では撮って数を入れるだけ。品名を書く必要も、どの品目かを判断する必要もありません。事務所はその写真を見て、AIが並べた候補から商品を選びます。冒頭の食品卸の方からは、冷凍庫で書けない悩みがなくなったという声に加えて、「これは棚卸すべき商品か」を現場で迷わず、撮って数えておけば後で上司が判断できるようになった、という声もいただいています。
- 冷凍庫など電波が届かない場所でも、撮影と数量入力ができる。電波が戻れば自動で送信される(事前に電波の良い場所で撮影一覧画面を開いておく必要があります)
- 数量の入力欄は計算式に対応(例:20×5+6)
- 写真が残るので、あとから「何個あったか」を見返せる
- 棚卸リストの作成・印刷も、バーコードの貼り付けもいらない
機能の詳細はラクだなの機能、実際の画面は使い方でご覧いただけます。
まとめ
- 冷凍倉庫・生鮮の棚卸は、寒さ・手袋・霜・積み上げた箱・電波・期限の混在で詰まる
- 冷凍庫の中で「書く」「読み解く」「判断する」をなくし、記録だけにする
- 積み上げた箱は動かさずに数える決めごとを作る
- 順番と担当は入る前に決め、交代で入り、出入りと扉を開けている時間を減らす
- 照合と確認は、冷凍庫を出てからまとめて行う
よくある質問
- Q. 冷凍倉庫の棚卸で、いちばん時間がかかるのはどこですか?
- A. 冷凍庫の中で「書く」「探す」「判断する」作業です。寒さで手が動かず、手袋のままでは書きにくく、霜でラベルが読みにくいため、常温なら数秒の作業が長引きます。冷凍庫の中では記録だけにして、判断や計算は冷凍庫を出てから行うと、滞在時間を短くできます。
- Q. 冷凍庫の中で紙に書けないときは、どうすればいいですか?
- A. 冷凍庫の中で文字を書く作業そのものをなくすのが近道です。数だけを短く記録する、スマホで撮って数を入れる、など片手で済む方法に変え、品名の書き取りや照合は冷凍庫の外で行います。
- Q. 冷凍庫の扉を開けたまま棚卸してもいいですか?
- A. 避けたほうが安全です。扉を開けている時間が長いと冷凍庫の温度が上がり、品質や霜の原因になります。冷凍庫に入る順番と人数を決め、出入りの回数を減らす段取りにしておきます。
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