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食品卸の棚卸|品目が多く、ケースとバラが混ざる倉庫で月末を回す進め方

#棚卸#食品

「棚卸は、無地の紙を用意して2人1組でやっています」。

食品卸の会社で棚卸のお話を聞くと、こうした答えが返ってくることがあります。業務システムは入っていて、受発注も在庫の帳簿もデータになっている。それでも月末や期末の実地棚卸だけは、紙とペンで回している会社は少なくありません。

食品卸の在庫管理を調べると、出てくるのは販売管理システムや在庫管理システムの比較記事がほとんどです。この記事では、食品卸の倉庫で聞いた棚卸のあるあると、その背景にある食品卸ならではの事情、今のやり方を大きく変えずに月末を回す進め方をまとめます。

この記事でわかること

  • 食品卸の棚卸が重くなる5つの事情
  • 食品卸の倉庫で聞いた棚卸のあるある
  • 月末の棚卸を回す進め方

食品卸の棚卸が重くなる5つの事情

食品卸の棚卸は、同じ「数える」作業でも、ほかの業種より手間が増えやすい事情を抱えています。

事情棚卸で起きること
品目が多く、入れ替わりが速い棚卸リストが最新の品目に追いつかない
ケース・バラ・開封品が混ざる同じ商品を、状態ごとに数えて合計する必要がある
常温・冷蔵・冷凍の倉庫に分かれる温度帯ごとに作業の条件が違い、冷凍庫では長くいられない
期限の違うものが同じ棚に並ぶ数だけでなく、期限の近いものが残っていないかも気になる
返品・出荷待ち・未検品が混ざる数えるか除くかが人によって分かれる

どれか1つなら段取りで吸収できても、これらが重なると、紙のリストでは追いきれなくなります。

食品卸の倉庫で聞いた棚卸のあるある

あるある1:無地の紙に、2人1組で書く

品目が多く入れ替わりも速いので、棚卸のたびに最新のリストを作って印刷するのは手間がかかります。そこで、無地の紙を持って倉庫を回り、1人が数えて1人が品名と数を書く、というやり方に落ち着いている会社があります。

リストを作る手間はかかりませんが、品名は書く人の言葉で書かれます。事務所に戻ってから、その品名がシステムのどの品目なのかを1行ずつ探して入力することになります。

あるある2:ケース×入数+バラの掛け算を、倉庫でする

「6ケースと、バラが8個。入数は24だから…」。数量の欄が1つしかない紙や端末だと、現場で掛け算をして合計を書くことになります。

ある業務用食品卸の方からは、「掛け算の計算式は現場では使えない」という声を聞きました。入数の思い違いや計算違いは、書いた数字からは見つけられません。

あるある3:リストにない商品、別名の商品が出てくる

棚卸リストに載っている品目だけを数えると、リストにない商品は数え漏れます。新しく入った商品、規格違い、仕入先が変わって名前が少し違う商品などです。

数え漏れがないかを確かめる手段がなく、「最後は担当者を信じるしかない」という声も聞きます。

あるある4:冷凍庫では、手がかじかんで書けない

冷凍倉庫での棚卸は、寒さとの戦いです。鮮魚や冷凍品を扱う食品卸の方からは、「冷凍庫だと手がかじかんで紙に書けないことがありました」という声をいただいています。冷凍倉庫の段取りは生鮮・食肉・冷凍倉庫の棚卸で詳しく整理しています。

あるある5:バーコードを貼る運用は、回るイメージが持てない

正論を言えば、全商品にバーコードやQRコードを貼ってハンディで読めば、品目の取り違えはなくなります。ただ、ある食品卸の方は、QRコードを貼るやり方について「現場の運用が回るイメージが持てない」と話していました。

バーコードで管理している会社でも、新しい商品のJAN登録などマスタの管理が追いつかず、一部の商品は手作業で扱っていると聞きます。バーコードで管理し続けるために何が要るかは、ハンディターミナルの棚卸で整理しています。

あるある6:在庫はあったのに、気づいたら期限が切れていた

「気づいたら切れていて、もっと早く気づけたら対応できたのに」。食品卸の方から聞いた言葉です。棚卸では全品を手に取っているのに、期限はどこにも控えていない、ということがよくあります。

月末の棚卸を回す進め方

ここからは、今のやり方を大きく変えずに始められることを並べます。

1. 数えるか除くかを、棚卸の前に決める

返品待ち・出荷待ち・入荷したが未検品・預かり在庫。こうした商品を数えるのか除くのか、数えるならどこに書くのかを先に決めます。ここが人によって違うと、数え方が正しくても棚卸の結果は合いません。差異の切り分け方は棚卸が合わない原因は6つに分かれるにまとめています。

2. ケースとバラは分けて書き、掛け算は事務所でする

現場ではケース数とバラ数を分けて書くだけにして、入数を掛けて合計を出すのは事務所でまとめて行います。倉庫での計算をなくすだけで、計算違いが入る場所が1つ減ります。荷姿ごとの数え方は棚卸の数え方のコツで解説しています。

3. リストにないものも、あるものは全部書く

リストに載っているかどうかで数える・数えないを決めず、棚にあるものはすべて書き出す決めごとにします。どの品目かわからないものは、わからないまま書いておき、事務所で確かめます。リストに縛られないことが、数え漏れを減らす近道です。

4. 冷凍庫では判断しない。記録だけして外に出る

冷凍庫の中では、品目の判断や計算をせず、あるものと数を記録することだけに絞ります。判断が要るものは庫外に出てからまとめて行うと、庫内にいる時間を短くできます。

5. 棚卸のついでに、いちばん近い期限を控える

全部の期限を書くのではなく、品目ごとにいちばん近い期限を1つだけ控えます。食品卸では、小売への納品期限(3分の1ルール)が近いものは、賞味期限の前に出し先がなくなります。期限が控えてあれば、棚卸のあとに事務所で「出し先がなくなりそうなもの」を拾えます。納品期限の考え方は3分の1ルールとはで解説しています。

6. 拠点が複数あるなら、書き方をそろえる

営業所や倉庫が複数ある会社では、拠点ごとに書き方や除くものの決めごとが違うと、集計のときに合わせ直す手間が増えます。最初に決めた決めごとを、全拠点で同じにしておきます。

撮って数えるだけの棚卸と、在庫管理

弊社が提供しているラクだなは、スマホで撮って数を入れるだけで棚卸ができるアプリです。

棚の調味料や冷凍庫の箱をスマホで撮影する様子と、ラクだなの数量入力画面・自動でできあがる棚卸表

現場は、棚にあるものを撮って数を入れるだけ。品名を書く必要も、どの品目かを判断する必要もありません。事務所はその写真を見て、AIが並べた候補から商品を選びます。リストにない商品も写真に残るので、数え漏れを減らせます。

  • 棚卸リストの作成・印刷も、バーコードの貼り付けもいらない
  • 数量の入力欄は計算式に対応(例:20×5+6)
  • 冷凍庫など電波が届かない場所でも、撮影と数量入力ができる(事前に電波の良い場所で撮影一覧画面を開いておく必要があります)
  • 在庫管理機能(別契約)では、入庫・出庫・廃棄も棚卸と同じ「撮って数を入れる」操作で記録でき、理論在庫と棚卸の結果を比べられる

機能の詳細はラクだなの機能、実際の画面は使い方でご覧いただけます。

まとめ

  • 食品卸の棚卸は、品目の多さ・ケースとバラの混在・温度帯・期限・返品や出荷待ちが重なって重くなる
  • あるあるは「無地の紙に2人1組」「倉庫で掛け算」「リストにない商品」「冷凍庫で書けない」「バーコードの運用が回らない」「気づいたら期限切れ」
  • 数えるか除くかを先に決め、ケースとバラは分けて書き、あるものは全部書く
  • 冷凍庫では記録だけ、期限はいちばん近いものだけ控え、拠点間で書き方をそろえる

よくある質問

Q. 食品卸の棚卸が、ほかの業種より大変なのはなぜですか?
A. 品目が多く入れ替わりが速いこと、同じ商品がケース・バラ・開封品の状態で混ざること、常温・冷蔵・冷凍の倉庫に分かれていること、期限の違うものが同じ棚に並ぶことが重なるためです。どれか1つなら段取りで吸収できても、重なると紙のリストでは追いきれなくなります。
Q. ケースとバラが混ざっている商品は、どう数えればいいですか?
A. 現場ではケース数とバラ数を分けて書くだけにして、入数を掛けて合計を出すのは事務所でまとめて行うのが現実的です。倉庫で掛け算をすると、入数の思い違いや計算違いがそのまま数字に入ります。
Q. 返品や出荷待ちの商品は、棚卸で数えますか?
A. 会社の決めごと次第ですが、決めておかないと人によって数えたり除いたりが分かれ、差異の原因になります。返品待ち・出荷待ち・入荷したが未検品・預かり在庫のそれぞれを、数えるか除くか、数えるならどこに書くかを棚卸の前に決めておきます。
Q. 棚卸のときに賞味期限も確認したほうがいいですか?
A. 全部の期限を記録しようとすると棚卸が終わりません。品目ごとにいちばん近い期限だけ控えておくと、納品期限が近いものや期限切れが近いものを、棚卸のあとに事務所で確かめられます。
在庫・棚卸アプリ「ラクだな」を現場のスマホとパソコンで使っている様子

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