ラクだな

写真で棚卸はできるか|写真が担える役割と、撮り方・進め方

#棚卸#在庫管理

「写真を撮るだけで棚卸ができたら」。紙の棚卸に疲れた現場から、よく出てくる言葉です。

スマホのカメラで棚を撮る棚卸は、すでにいくつかの形で使われはじめています。ただ、同じ「写真で棚卸」でも、写真に何をさせるのかで中身がまったく違います。ここを分けずに考えると、「写真で数えてくれると思ったのに」「結局手入力が残る」という行き違いが起きます。

この記事では、写真で棚卸するときに写真が担える役割を整理し、写真だからこそ拾えるもの、撮り方のコツ、進め方をまとめます。

この記事でわかること

  • 写真で棚卸する2つの使い方と、それぞれの向き不向き
  • 写真を記録に使うと、棚卸の何が変わるか
  • 写真だから拾える、リストにない在庫
  • 撮り方のコツと、進め方

写真で棚卸する2つの使い方

写真で棚卸する方法は、写真に何をさせるかで大きく2つに分かれます。

写真から数を数える写真を記録にして、品目をあとで特定する
写真の役割数量を出す「何があったか」を残す
数えるのは画像認識人(その場で数を入れる)
品目の特定撮る前に品目を決めておくことが多い写真を見て、あとで事務所が行う
向いている在庫同じ形のものが並んで、全部写るもの箱・ケース・袋が積まれ、品目が多いもの

写真から数を数える

画像認識で、写っているものの数を数える使い方です。同じ形の部品や棒材、並んだ箱のように、同じものが重ならずに写っている在庫では力を発揮します。

一方で、写真に写っていないものは数えられません。積み上がった箱の奥、段ボールの中身、重なった袋などは、写真からは数が出ません。食品の倉庫のように、ケースとバラが混ざり、箱が積まれている在庫では、結局人が数えて直すことになりがちです。

写真を記録にして、品目をあとで特定する

数は人がその場で数えて入れ、写真は「何があったか」を残すために撮る使い方です。品目がどれかを現場で判断する必要はなく、事務所で写真を見ながらあとで特定します。

数えるのは人のままですが、現場から「品名を書く」「リストからどの行かを探す」「これは数える対象か判断する」という作業が外れます。紙の棚卸で時間を取っているのは、実はこちらの作業です。以降は、この使い方を中心に整理します。

写真を記録に使うと、棚卸の何が変わるか

現場は「撮って数える」だけになる

紙の棚卸では、現場で数えながら品名を書き、どの品目かを判断しています。慣れた人でないと品名がわからず、2人1組で1人が数え、1人が書く形になりがちです。

写真を記録に使うと、現場の仕事は「撮る」と「数を入れる」だけになります。品名を書かないので、1人で進められ、商品に詳しくない人でも手伝えます。

品目の特定と集計を、事務所でまとめてできる

撮った写真を見ながら、事務所でどの品目かを決めていきます。品目が決まれば、数と単価から棚卸表と金額をまとめて出せます。紙の数字を表計算に写し直す転記がなくなります。

あとから見返せる

写真が残るので、「あのとき、この商品は何個あったか」をあとから確かめられます。差異が出たときに、数え直しに倉庫へ行かなくても、写真で確かめられる場面が増えます。

鮮魚や冷凍品を扱う食品卸の方からは、次の声をいただいています。

写真がそのまま残るので、あの時この商品は何個あったかをすぐ見返せる。数え直しに行く必要がない。

写真だから拾える、リストにない在庫

紙の棚卸リストやハンディのマスタで数える方法は、「リストに載っているもの」を数える方法です。リストにない商品、名前が少し違う商品は、そもそも数える対象に入りません。

写真で記録する方法は、「棚にあるもの」を撮る方法です。リストに載っているかどうかに関係なく、あるものは全部写ります。

これまでは、棚卸リスト(紙)に載っていない商品を数え漏れてしまう問題がありました。『玉ねぎ(原体)』はリストにあるので数えますが、隣の『玉ねぎ(加工)』はリストに無いので数えられず報告が上がってくることがありました。あるものはとにかく撮って数えてくれと指示したところ、棚卸の精度がめちゃくちゃ上がりました。 — 食品メーカーの方

「これは棚卸すべき商品か」と迷うものも、撮って数えておけば、あとで判断できます。現場で迷う時間がなくなり、迷ったものが抜けることも減らせます。

撮り方のコツ

あとで品目を特定するための写真なので、決まりは1つだけです。あとから見返して、商品が特定できる箇所を撮る。

  • 品名が書かれたラベル:箱や袋に貼られた商品ラベル
  • 商品の全体像:現品そのもの(トレーに並んだ冷凍品など)
  • 段ボール:品名が印字された面
  • 品番・JANコードが印字された面:似た商品を見分ける決め手になる

そのうえで、次のことを意識すると、あとの特定が速くなります。

  • 1枚に1品目が収まるように撮る。複数の品目が写ると、どれを数えたのかがわからなくなる
  • 似た規格(500gと1kgなど)は、規格が読める面を撮る
  • 開封品・バラは、中身がわかるように撮る
  • 冷凍庫では、霜や結露でラベルが読みにくいことがある。読める面を探すより、まず撮って数を入れることを優先する

写真で棚卸を進めるときの段取り

  1. 事前に決めること:撮る順番(棚の右上から、など)と、数えるか除くかの決めごと(返品待ち・出荷待ちなど)
  2. 現場:棚にあるものを、順番どおりに撮って数を入れる。品目の判断はしない
  3. 事務所:写真を見ながら品目を特定し、棚卸表を仕上げる
  4. 確認:前回の棚卸と比べて差が大きいものだけ、写真で確かめる

数え方そのもののコツは棚卸の数え方のコツ、全体の手順は棚卸のやり方にまとめています。バーコードを使わずに棚卸を回す考え方はバーコードが使えない在庫の棚卸でも解説しています。

写真とAIで棚卸する、ラクだな

弊社が提供しているラクだなは、写真を記録にして棚卸する方式のアプリです。

棚の調味料や冷凍庫の箱をスマホで撮影する様子と、ラクだなの数量入力画面・自動でできあがる棚卸表

現場はスマホで撮って、数を入れるだけ。事務所はその写真を見て、AIが確からしい順に並べた候補から商品を選びます。割り当てた写真は次回以降の候補の判断にも使われるので、使うほど候補に出やすくなります。候補にないときは品目名や仕入先名で検索でき、まだ登録していない商品はその画面で登録できます(商品登録の権限があるユーザー)。

  • 数えるのは人。AIは商品の特定・棚卸表の作成・集計を担う
  • 棚卸リストの作成・印刷も、バーコードの貼り付けもいらない
  • 写真なしで行を追加することもできる
  • 冷凍庫など電波が届かない場所でも、撮影と数量入力ができる(事前に電波の良い場所で撮影一覧画面を開いておく必要があります)

機能の詳細はラクだなの機能、実際の画面は使い方でご覧いただけます。

まとめ

  • 写真で棚卸する方法は、「写真から数を数える」と「写真を記録にして品目をあとで特定する」の2つに分かれる
  • 箱やケースが積まれ品目が多い在庫では、数は人が入れ、写真は記録に使うほうが合いやすい
  • 写真を記録に使うと、現場は撮って数えるだけになり、特定と集計は事務所でまとめてでき、あとから見返せる
  • 写真は「棚にあるもの」を撮るので、リストにない在庫まで拾える
  • 撮り方は「あとから商品が特定できる箇所を、1枚に1品目」

よくある質問

Q. 写真を撮るだけで、棚卸の数も自動で数えてくれますか?
A. 写真から数を数えるサービスもありますが、重なったものや箱の中身、写っていないものは数えられません。食品の倉庫のように箱やケースが積まれた在庫では、数は人が入れ、写真は「何があったか」の記録として使う方法が現実的です。
Q. 写真で棚卸すると、何がラクになりますか?
A. 現場で品名を書いたり、どの品目かを判断したりする作業がなくなります。現場は撮って数を入れるだけにし、写真を見ながら品目を特定する作業は事務所でまとめて行えます。写真が残るので、あとから数え直しに行かずに確かめられます。
Q. どんな写真を撮ればいいですか?
A. あとから見返して商品が特定できる箇所を撮ります。品名が書かれたラベル、商品の全体、品名が印字された段ボール、品番やJANコードが印字された面などです。1枚に1品目が収まるように撮ると、あとの特定が速くなります。
Q. 冷凍庫や倉庫の奥など、電波が届かない場所でも使えますか?
A. 使えるかどうかはアプリによります。電波がない場所で撮影と入力ができ、電波が戻ってから送信できるかを、導入前に確かめておくのがおすすめです。
在庫・棚卸アプリ「ラクだな」を現場のスマホとパソコンで使っている様子

紙とエクセルの棚卸、
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