棚卸表テンプレート|エクセル無料ダウンロードと書き方
「棚卸表をエクセルで作りたいが、どんな項目を入れればいいかわからない」「毎回、前の担当者が作ったファイルを使い回していて、式が崩れている」。棚卸表の作り方は、意外と誰にも教わらないものです。
この記事では、弊社が作った棚卸表のエクセルテンプレートを無料で配布しています。品目コードを入れれば品目名と単価が出て、金額、前回の棚卸との差、帳簿との差、品目ごとの最も近い賞味期限まで自動で出ます。
あわせて、棚卸表に書く項目と法令の決まり、書き方の注意点、エクセルで自動計算する式の作り方をまとめます。テンプレートを使わない方も、自社の棚卸表を見直すときの参考にしてください。
この記事でわかること
- 無料で使える棚卸表テンプレートの中身
- 棚卸表に書く項目と、法令で決まっていること
- 棚卸表の書き方と、よくあるミス
- エクセルで自動計算する式の作り方
- 手書き・エクセル・アプリの使い分け
棚卸表テンプレート(エクセル・無料)
テンプレートは、3つのシートでできています。
| シート | 役割 | 入力するもの |
|---|---|---|
| 商品マスタ | 品目の一覧。新しい品目・廃番は棚卸の前に反映する | 品目コード・カテゴリ・品目名・規格・仕入先・温度帯・仕入単価・販売単価・単位・JANコード |
| 棚卸表 | 当日に数えた数を書き込む | 保管場所・品目コード・数量・最も近い賞味期限・記録者・メモ |
| 集計 | 品目ごとに合算し、前回・帳簿と比べる | 前回の棚卸数量・帳簿在庫(使うほうだけ) |
入力するセルは黄色、計算式が入っているセルは白で分けています。灰色の行は記入例です。商品マスタの赤い見出し(品目名・カテゴリ・仕入単価・単位)は、金額を出すのに必要な列なので必ず埋めてください。



自動で計算されること
- 品目コードを入れると、品目名・規格・単位・仕入単価が表示される(登録のない品目コードは「未登録」と赤字で出る)
- 数量×仕入単価で金額を出し、棚卸金額の合計を上部に表示する
- 同じ品目が複数の場所にあっても、品目ごとに合算する
- 品目ごとに、いちばん近い賞味期限を表示する
- 前回の棚卸との差、帳簿在庫との差を、数量と金額で出す
- 前回はあったのに今回数えていない品目を黄色で示す(数え漏れの確認)
ダウンロード:棚卸表テンプレート(エクセル)を無料でダウンロードする
棚卸表とは
棚卸表は、ある時点で手元にある在庫の数量と金額をまとめた一覧です。決算で在庫の金額(期末の棚卸高)を確定させるために作ります。
在庫の数を日々記録する在庫管理表とは役割が違います。在庫管理表は入荷・出荷のたびに数を更新する表で、棚卸表は決まった日に現物を数えた結果を確定させる表です。
棚卸そのものの目的や種類は棚卸とはでまとめています。
棚卸表に書く項目
法令で決まっている項目
法人の場合、棚卸表には次のことを書くと決められています。
たな卸表を作成し、たな卸資産の種類、品質及び型の異なるごとに数量、単価及び金額を記載しなければならない。 — 法人税法施行規則 第56条第2項
つまり、最低限必要なのは次の4つです。
- 在庫の種類・品質・型(どの商品か、規格違いを分ける)
- 数量
- 単価(届け出た評価方法で計算した単価)
- 金額
「規格違いの商品を同じ行にまとめない」ことが、この条文の大事なところです。同じ商品名でもサイズや容量が違えば、別の行にします。
実務で入れておくと便利な項目
法令の4つに加えて、次の項目を入れておくと、集計と差異の確認が楽になります。
| 項目 | 入れておく理由 |
|---|---|
| 棚卸日・拠点 | いつ、どこの在庫かを明らかにする。帳簿と比べるときの前提 |
| 品目コード | 表記ゆれを防ぎ、商品マスタと結びつける |
| カテゴリ・温度帯 | 冷凍・冷蔵・常温ごと、原材料・資材ごとに金額を見られる |
| 保管場所 | 同じ商品が複数の場所にあるとき、数え漏れと二重に数えることを防ぐ |
| 単位 | 数量をどの単位で数えたかをそろえる |
| 最も近い賞味期限 | 食品など期限のある在庫で、先に使う・出す品目がわかる |
| 記録者 | 差異が出たときに、誰に確かめればいいかがわかる |
| 前回の棚卸数量・帳簿在庫 | 数え漏れや帳簿とのずれを、その場で見つける |
上位に出てくる棚卸表のテンプレートの多くは、品名・数量・単価・金額までを持っています。弊社のテンプレートは、食品の現場で必要になる賞味期限と、数え漏れに気づくための前回との比較まで入れています。
棚卸表の書き方
テンプレートの使い方を、前日・当日・翌日に分けて説明します。
前日:商品マスタと上部の欄を埋める
- 商品マスタを最新にする。手元の品目リストを貼り付けて構いません。2回目以降は、前回から増えた品目・廃番・単価の変更を反映します
- 棚卸表の上部に、拠点・棚卸日・責任者を書く
- 印刷して配るか、タブレットで開けるようにしておく
その日までの入荷・出荷の伝票は、前日のうちにすべて処理しておきます。
当日:数えた数を書く
- 保管場所と品目コードを書く
- 数量を、商品マスタの単位で書く。ケースで数えたときは「=3*10+4」のように式のまま入れる
- 期限のある在庫は、その場所で最も近い賞味期限を1つだけ書く
- 記録者の名前を書く
- リストにない商品は、品目コードを空けてメモに品名を書き、あとで商品マスタに登録する
期限は全部の商品について書こうとすると終わりません。品目ごとに最も近いもの1つだけで十分です。期限の見方は賞味期限管理とはで詳しく書いています。
翌日:集計と差異を確かめる
- 集計シートに、前回の棚卸数量か帳簿在庫(使うほうだけ)を入れる
- 黄色になった品目(前回はあったのに今回数えていない品目)を確かめる
- 前回や帳簿との差が大きい品目を、金額の大きい順に確かめる
差異の原因の切り分け方は、棚卸が合わない原因でまとめています。
棚卸表でよくあるミス
| ミス | 起きること | テンプレートでの防ぎ方 |
|---|---|---|
| ケースとバラが混ざる | 集計で数が大きくずれる | 数量は商品マスタの単位でそろえ、ケースは式で換算して入れる |
| 品名の表記がゆれる | 同じ商品が別の行になる | 品目コードで商品マスタから品目名を引く |
| 単価が古い | 金額が実態とずれる | 単価は商品マスタの1か所だけで管理する |
| 規格違いを1行にまとめる | 法令の「種類・品質・型ごと」を満たさない | 規格ごとに品目コードを振る |
| 数え漏れに気づかない | 棚卸金額が少なく出る | 前回はあったのに今回ない品目を黄色で示す |
| 式が崩れる | 誰かが計算式のセルに数字を上書きする | 入力するセルを黄色で分ける |
エクセルで自動計算する式の作り方
自社の棚卸表に同じ仕組みを入れたい方のために、テンプレートで使っている式を紹介します。どれもExcel 2010以降で使える関数です。
品目コードから品目名・単価を引く
商品マスタのB列に品目コード、D列に品目名があるとき、棚卸表のC列に入れた品目コードから品目名を引く式です。
=IF($C6="","",IFERROR(INDEX(商品マスタ!$D$2:$D$301,MATCH($C6,商品マスタ!$B$2:$B$301,0)),"未登録"))
INDEXとMATCHの組み合わせは、VLOOKUPと違って、商品マスタの列の並びを変えても崩れません。登録のない品目コードは「未登録」と表示されるので、入力ミスにすぐ気づけます。
品目ごとに合算する
同じ品目が冷凍庫Aと冷凍庫Bに分かれていても、品目ごとに合計するにはSUMIFSを使います。
=SUMIFS(棚卸表!$G$6:$G$505,棚卸表!$C$6:$C$505,$A5)
品目ごとの最も近い賞味期限を出す
同じ品目が複数の場所にあり、それぞれに期限を書いたとき、いちばん近い日付を出す式です。AGGREGATEの「15」は小さい順、「6」はエラーを無視する指定です。
=IF(COUNTIFS(棚卸表!$C$6:$C$505,$A5,棚卸表!$J$6:$J$505,">0")=0,"",AGGREGATE(15,6,棚卸表!$J$6:$J$505/((棚卸表!$C$6:$C$505=$A5)*(棚卸表!$J$6:$J$505>0)),1))
棚卸表は7年間保存する
法人の場合、棚卸表は帳簿書類として原則7年間の保存が必要です。欠損金が生じた事業年度などは10年になる場合があります(国税庁「No.5930 帳簿書類等の保存期間」)。
個人事業者向けの国税庁の決算の手引きでも、数量などを書いたメモなどの元の記録は、棚卸表と一緒に保存しておくよう案内されています(国税庁「令和7年分 青色申告の決算の手引き(一般用)」)。手書きの用紙を回収したら、エクセルに打ち込んだあとも捨てずに保管してください。
在庫の評価方法(最終仕入原価法・移動平均法など)や、会計上の処理は顧問税理士にご確認ください。
手書き・エクセル・アプリの使い分け
| 方法 | 向いている会社 | 気をつけること |
|---|---|---|
| 手書き(印刷した棚卸表) | 品目が少なく、1拠点 | あとでエクセルに打ち直す手間と、書き写しのミス |
| エクセル(タブレットで直接入力) | 品目が数百まで、拠点が少ない | 式が崩れないよう入力欄を分ける。拠点が増えるとファイルの統合が重くなる |
| 棚卸アプリ | 品目・拠点が多い。バーコードを貼れない在庫が多い | 現場の記録から、棚卸表・金額・差異まで出せるかを確かめる |
このテンプレートは、手書きとエクセルのどちらでも使えます。印刷して当日に書き込み、翌日にエクセルへ入れる使い方もできます。アプリの選び方は棚卸アプリの比較でまとめています。
書き写しをなくすなら、写真で記録する方法も
エクセルの棚卸表で最後まで残る手間は、紙の書き取りと、エクセルへの打ち直しです。とくに品目コードを現場で書くのは難しく、商品名で書いてもらうと表記がゆれます。
弊社が提供しているラクだなは、現物の写真を撮って数量を入れる棚卸アプリです。事務所は写真を見て、AIが並べた候補から商品を選びます。商品を割り当てれば、棚卸表と金額、前回との差異まで出て、CSVで出力できます。

このテンプレートの商品マスタは、ラクだなの商品の取り込みと同じ列の並びにしています。乗り換えるときは、この商品マスタをそのまま取り込めます。ラクだなの使い方では、実際の画面で流れをご覧いただけます。
まとめ
棚卸表テンプレートと書き方をまとめます。
- 棚卸表には、種類・品質・型ごとに数量・単価・金額を書く(法人税法施行規則第56条)
- 実務では、品目コード・保管場所・単位・最も近い賞味期限・記録者を足すと集計と差異確認が楽になる
- 数量は商品マスタの単位でそろえ、ケースで数えたときは式で換算して入れる
- 前回はあったのに今回ない品目を確かめると、数え漏れに気づける
- 棚卸表と元の記録は、原則7年間保存する
まずは無料のテンプレートで、次の棚卸を1回回してみてください。
※本記事の内容は2026年9月時点のものです。
よくある質問
- Q. 棚卸表には何を書けばいいですか?
- A. 在庫の種類・品質・型ごとに、数量・単価・金額を書きます(法人税法施行規則第56条)。実務では、これに棚卸日、品目コード、保管場所、単位、記録者を加えておくと、集計と差異の確認がしやすくなります。
- Q. 棚卸表はいつまで保存すればいいですか?
- A. 法人の場合、棚卸表は帳簿書類として原則7年間の保存が必要です。欠損金が生じた事業年度などは10年になる場合があります。数量を書き取ったメモなどの元の記録も、棚卸表と一緒に保存しておきます。
- Q. 棚卸表は手書きでも問題ありませんか?
- A. 手書きでもかまいません。ただし、手書きのあとにエクセルへ打ち直すと、書き写しの段階でミスが入りやすくなります。当日にタブレットでエクセルに直接入れるか、記録がそのままデータになる方法にすると、転記の手間とミスが減ります。
- Q. ケースとバラが混ざる在庫は、どう書けばいいですか?
- A. 数量は商品マスタに登録した単位(バラ)でそろえます。ケースで数えたときは、数量の欄に「=3*10+4」(3ケース×入数10+端数4)のように式のまま入れると、その場で換算した数になります。
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